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旅の取材記
とりどりの文化が混ざりあうスペイン

麦の持つ力、その可能性をさぐりたくてスペイン南東のムルシア地方を訪れました。

さわやかな太陽と柑橘を愛し、愛された街。

「国の中にいくつもの国がある」と言われるほど、とりどりの文化が混ざりあうスペイン。私たちが訪れたのはバレンシアやムルシアなど、地中海に面した南東エリアのレバンテ地方。四季はあるものの年がら年じゅうあたたかく、滞在中もずっと太陽は顔を出しっぱなし。時期はまだ夏の余韻残る9月でしたが、日本のように屋内に逃げ込みたくなるような強さはなく、むしろまぶしさを謳歌したくなる、心弾む日差しでした。

そんな気持ちのいい太陽とかさなるように、街でよく目にするのは、日向色のオレンジやレモンなど。街路樹もオレンジの樹がさも当然のごとく植えられ、郊外に出ると道の両側には、えんえんとオレンジやレモンの畑。そう、この地域は心から柑橘を愛している!そう強く思わせる風景に、たくさん出会いました。

中でも私たちの心を釘付けにしたのは、バレンシアの北駅のようす。白を基調とした外壁にはオレンジの模様がふんだんにあしらわれ、内装も地域の特産となるフルーツの図柄がたっぷり。あたかもケーキの中に入り込んだような、不思議な気持ちになります。

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