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旅の取材記
自然に近い環境から生まれる、力強い味。

ナムお母さん一家と同じタイグエン省に住む、茶畑農家のイェンお母さんのお家も訪れました。タイグエン省でとれるお茶は、ハノイでは高級銘柄ということもあり「私たちが作ったお茶は、ハノイに出荷されてるのよ」と誇らしげに話しながら、畑を案内してくれました。

お家の中を案内してもらい、まず目についたのが棚に並んでいた、たくさんのお茶碗。その数にびっくりしていると「子供と孫に、それにご近所さん…たくさんの人がやってきて、一緒にごはんを食べるのよ。そしてごはんの後、みんなでお茶を飲むからね」と、イェンお母さんは笑いながら教えてくれました。家族が飲むお茶だけでなく、お客さんがきた時に出すおもてなしのお茶をいれるのもお母さん。料理からお茶まで、ベトナムのお母さんたちは皆、おもてなし上手なようです。

「おいしいお茶が手に入ると、みんなで飲むのよ。小さい子供にはちょっと苦いけど、どの子も背伸びして飲んでいるわね」と話しながら、お茶をいれてくれたイェンお母さん。小さなお子さんが成長と共に緑茶をおいしく飲めるようになる姿を想像していると、「お茶は家族との絆でもあるのよ」と教えてくれました。

一杯のお茶が与えてくれる憩い。

お母さんがいれたお茶を飲みながらの家族団らん。仕事の合間にお茶屋さんに立ち寄っていただく一服。お茶を片手に楽しむ、気が置けない人たちとのおしゃべり。そして若者たちの間で定着しつつある、新しいお茶の飲み方。ベトナム滞在中に見た様々な憩いの場面には、必ずといって良いほどお茶がありました。

それぞれに違う時間を過ごしながらも、生活の合間に家族が顔をそろえて一緒にお茶を飲む。この習慣が古くから伝えられてきたからこそ、時代や環境に合わせて形は変化しながらも、お茶が憩いの場で飲まれ続けているのかもしれません。

活気に満ちた生活をしているベトナムの人たち。そんな彼らにとって、お茶がもたらす憩いのひとときは、暮らしに良いメリハリを与えているようにも思えました。

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