試合詳細レポート

2023

大阪府/パナソニック スタジアム 吹田 2023.06.20

日本代表

4

2

2

ペルー代表

1

0

1

前 半

後 半

大阪府/パナソニック スタジアム 吹田 2023.06.20

日本代表

4

2

2

ペルー代表

1

0

1

前 半

後 半

南米の伝統国相手に、力強いパフォーマンスを披露

素早い攻守の切り替えで相手を上回る!

6月20日、SAMURAI BLUE(サッカー日本代表)はパナソニック スタジアム 吹田(大阪府)で行なわれた『キリンチャレンジカップ2023』で、ペルー代表と対戦した。強豪が集う南米地区で存在感を発揮しているチームとは、『キリンカップサッカー2011』以来12年ぶりの対戦となる。FIFA(国際サッカー連盟)のランキングは日本の20位に対してペルーが21位で、厳しい試合になることが予想された。

チームを率いる森保一監督は1、5日のエルサルバドル戦と同じ4-1-4-1のシステムを選んだ。GKは中村航輔(ポルティモネンセ/ポルトガル)で、最終ラインは右から菅原由勢(AZアルクマール/オランダ)、板倉滉(ボルシアMG/ドイツ)、谷口彰悟(アルラヤンSC/カタール)、伊藤洋輝(VfBシュツットガルト/ドイツ)の4人で構成される。中村は19年12月以来の国際Aマッチ出場となる。菅原、板倉、谷口は、エルサルバドル戦に続いての先発だ。

中盤は遠藤航(VfBシュツットガルト/ドイツ)がアンカーを務め、右インサイドハーフに鎌田大地(アイントラハト・フランクフルト/ドイツ)、左インサイドハーフに旗手怜央(セルティック/スコットランド)が入る。遠藤はキャプテンマークを着ける。

前線は右ウィングに伊東純也(スタッド・ランス/フランス)、左ウィングに三笘薫(ブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFC/イングランド)が入る。1トップは古橋亨梧(セルティック/スコットランド)である。古橋のスタメン出場は22年9月以来だ。

最初にスタンドを沸かせたのは日本だった。13分、伊東が右サイドからクロスを入れると、古橋が飛び込む。ヘディングシュートは惜しくもゴール左へ逸れた。

21分には決定機をつかむ。鎌田が左サイドへ展開し、三笘がペナルティエリア内へ侵入する。マイナス方向へのラストパスを菅原がシュートへ結びつけるが、相手DFにブロックされた。

直後の22分、先制点が生まれる。ペナルティエリア手前で遠藤からパスを受けた伊藤が、得意の左足で狙う。GKのセーブを破る力強い一撃が、ゴールネットに突き刺さった。

リードを奪った日本は、守備時は4-4-2のブロックで相手の攻撃をしっかりと抑えながら、素早い切り替えからカウンターを繰り出す。チームとしての基本的な戦い方を共有し、ピッチ内で臨機応変に対応していく柔軟性は、このチームの強みと言っていいものだ。組織で対応しきれない場面があっても、個人で解決することができている。1対1の攻防では、攻守においてたくましくバトルしている。

37分には自陣右サイドで伊東と菅原が相手のプレスを剥がし、中央の鎌田を経由して左サイドの三笘へパスがつながる。背番号7は内側へ切り込み、右足を振り抜く。相手DFに当たってコースの変わったシュートが、GKの頭上を破ってゴールへ吸い込まれた。

守備の局面では、谷口と板倉の両CBを中心に攻撃の起点を作らせない。クリーンかつ激しいチェックで、前半のペルーをシュート1本に抑えることにつなげた。

「積極的なチャレンジ」で後半も2点を追加

前半を2対0で折り返すと、森保監督が後半開始とともに動く。旗手に代わって守田英正(スポルティングSP/ポルトガル)を起用する。ポジションは同じ左インサイドハーフだ。

後半もサイドアタックが機能する。49分、伊藤のパスを受けた三笘が、ペナルティエリア内まで持ち込んでゴール前へラストパスを通す。走り込んだ伊東がシュート態勢へ持ち込むが、的確にミートできなかった。

相手を押し込んでいくなかで、61分に2度目の選手交代が行なわれる。古橋と菅原が退き、前田大然(セルティック/スコットランド)と相馬勇紀(カーザ・ピアAC/ポルトガル)が送り出される。前田は1トップに、相馬は右サイドバックに入る。

その直後に、3点目が生まれた。63分、遠藤から前田に縦パスが入り、セカンドボールに反応した鎌田が左サイドへ展開する。三笘が中央へ折り返すと、伊東がトラップからGKをかわして左足で流し込んだ。勝利を大きく引き寄せる3点目だ。

森保監督はチームのパフォーマンスを維持しながら、積極的に選手を交代させていく。71分、伊東と鎌田がベンチへ下がり、堂安律(SCフライブルク/ドイツ)と久保建英(レアル・ソシエダ/スペイン)が出場する。堂安は右ウィングに、久保は右インサイドハーフに立つ。

72分、ペルーのMFがペナルティエリア外から強烈なミドルシュートを浴びせてきた。これはGK中村が、しっかりと弾き出す。市守備機会が多くない展開でも、守護神は集中力を高めている。

ピンチをしのいだ3分後の75分、勝利を決定づける4点目が記録される。堂安と久保が右サイドから相手のビルドアップを規制し、パスミスを誘発する。ふたりに連動した前田がパスカットに成功し、フリーで持ち出す。前田はペナルティエリア内まで持ち込み、右足でシュートを放つ。これがゴールに吸い込まれた。その後も相馬らがシュートを浴びせる。

森保監督は81分に、この試合最後の選手交代を行なう。遠藤がベンチへ下がり、瀬古歩(グラスホッパーCZ/スイス)がピッチに立つ。瀬古は3月の『キリンチャレンジカップ2023』に続いての出場だ。遠藤と同じポジションに入る。

83分に失点を喫した日本は、アディショナルタイム直前に久保がドリブルから際どい一撃を放った。最後まで攻撃の姿勢を貫き、4対1で勝利した。

試合後の森保監督は「選手たちが積極的にチャレンジしてくれた」とチームのパフォーマンスを評価した。そのうえで、チャンスの回数はまだまだ増やせますし、チャンスを決め切る精度の部分は満足せずにやっていければ」と、課題をあげるのも忘れなかった。

3月に続いて『キリンチャレンジカップ2023』を2試合消化することで、チーム内のポジション争いはさらに熾烈となった。9月以降の活動が、楽しみになっている。

※本文中の選手名やチーム名の表記、時間などは、日本サッカー協会様の発表に準じています。


試合データ

■6月20日 パナソニック スタジアム 吹田
日本代表 [4-1] ペルー代表

日本代表選手集合写真
  • 日本代表選手集合写真

写真提供/©JFA 2023年6月20日キリンチャレンジカップ2023 対ペルー代表戦 先発メンバー

<代表監督> 森保 一

<出場選手>

■6月20日/パナソニック スタジアム 吹田
日本代表 (2)4 <伊藤 洋輝 三笘 薫 伊東 純也 前田 大然>
ペルー代表 (0)1 <クリストフェル・ゴンサレス>
日本
GK 中村 航輔
DF 谷口 板倉 伊藤 菅原(相馬)
MF/FW 遠藤(瀬古) 伊東(堂安) 古橋(前田) 鎌田(久保) 三笘 旗手(守田)
ペルー
GK ペドロ・ガジェセ
DF マルコス・ロペス ジルマル・ロラ アンデルソン・サンタマリア(アレクサンデル・カジェンス) カルロス・サンブラノ
MF ウィルデル・カルタヘナ(ヘスス・カスティジョ) クリスティアン・クエバ(エディソン・フロレス) セルヒオ・ペニャ(クリストフェル・ゴンサレス)ジョシマル・ジョトゥン(ペドロ・アキノ)
FW パオロ・ゲレロ(ブライアン・レイナ) ジャンルカ・ラパドゥラ

*月日/場所
 国名(前半得点)総得点<得点者>
*メンバー(交代メンバー)

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