試合詳細レポート

2022

デュッセルドルフ(ドイツ) / デュッセルドルフ・アレーナ 2022.09.23

日本代表

2

1

1

アメリカ代表

0

0

0

前 半

後 半

デュッセルドルフ(ドイツ) / デュッセルドルフ・アレーナ 2022.09.23

日本代表

2

1

1

アメリカ代表

0

0

0

前 半

後 半

欧州の地で実力国アメリカに快勝!!

連動した攻撃から鎌田が先制弾!

11月に国際大会を控えるSAMURAI BLUE(サッカー日本代表)が、9月23日に『キリンチャレンジカップ2022』に臨んだ。ドイツのデュッセルドルフで、アメリカ代表と対峙したのである。

アメリカ代表との対戦は3度目で、一度目は1993年3月の『キリンカップサッカー93』である。カズこと三浦知良の2得点とオウンゴールで、日本が3対1で勝利した。

2度目の対戦は06年2月で、この試合も日本国内ではなくサンフランシスコ(アメリカ)で開催された。こちらは2対3の接戦で敗れた。

今回の戦いの舞台となるデュッセルドルフ・アレーナには、5149人の観衆が集まった。日本人のファン・サポーターも多く、スタンドは試合開始前から熱気に包まれている。

日本代表の森保一監督は、チームのベースとしてきた4-3-3のシステムではなく、4-2-3-1を選んだ。

GKには権田修一(清水エスパルス)が指名された。DFラインは右から酒井宏樹(浦和レッズ)、吉田麻也(シャルケ04/ドイツ)、冨安健洋(アーセナル/イングランド)、中山雄太(ハダースフィールド・タウンFC/イングランド)の4人で形成される。冨安は21年11月以来の出場だ。吉田はいつものようにキャプテンマークを巻く。

中盤では遠藤航(VfBシュツットガルト/ドイツ)と守田英正(スポルティングCP/ポルトガル)がダブルボランチを組む。2列目は右サイドに伊東純也(スタッド・ランス/フランス)、トップ下に鎌田大地(アイントラハト・フランクフルト/ドイツ)、左サイドに久保建英(レアル・ソシエダ/スペイン)が並ぶ。1トップは前田大然(セルティック/スコットランド)だ。前田の先発出場は、19年6月のチリ戦以来となる。

キックオフとともに、日本はいきなり相手ゴールへ迫る。右サイドでパスカットした伊東が、ペナルティエリア内までドリブルで持ち込み、左足でシュートを放った。

11分には冨安の縦パスを鎌田がワンタッチで落とし、守田がボールを引き取ってドリブルで前進する。ペナルティエリア手前で左サイドの久保へパスを通すと、久保は内側へ切り込んで右足で狙った。この一撃はブロックされたものの、ここから日本の攻撃にリズムが出てくる。

1分後には久保がフリックしたボールが左サイドの中山へわたり、ゴール前へクロスが供給された。その1分後には前田が敵陣深くからプレスをかけ、連動した久保がボールを奪う。ゴール前へ走り込んだ鎌田にパスがつながるが、背番号15のシュートは相手GKの好守に阻まれた。

1トップの前田が守備のスイッチを入れ、2列目の3人とダブルボランチが連動していく。その後も敵陣でのボール奪取やパスカットから、日本はアメリカのゴールへ迫っていった。

25分には先制ゴールを奪う。右サイドで相手のパスをカットした伊東が、ドリブルで持ち出す。ペナルティエリア手前で内側へ切り返すと、サポートした守田が素早く鎌田へパスする。ペナルティエリア内でフリーになっていた鎌田が、右足で落ち着いて流し込んだ。

前半はこのまま1対0で終了した。日本がボールを持つ時間が長いなかで、吉田を中心とした最終ラインはリスク管理に神経を研ぎすませた。酒井と中山の両サイドバックは、機を見た攻撃参加で攻撃に厚みを加えた。また、GK権田は的確なコーチングを絶やさず、ピンチの芽を未然に摘んでいった。


後半終了間際に三笘が貴重な追加点!

後半開始とともに、森保一監督は選手を入れ替える。前半に背中を強く打っていたGK権田が退き、シュミット・ダニエル(シントトロイデンVV/ベルギー)がゴールマウスに立つ。さらに、酒井に代わって伊藤洋輝(VfBシュツットガルト/ドイツ)、前田に代わって町野修斗(湘南ベルマーレ)が送り出される。DFラインは右から冨安、吉田、伊藤、中山の並びに変更された。町野は前田と同じ1トップに入る。

後半も主導権をつかんだのは日本だ。54分、相手のパスの乱れを見逃さなかった遠藤が、敵陣中央でボールを確保して右サイドへ展開する。パスを受けた伊東の右足シュートが、GKを鋭く襲った。

58分には相手のクロスをキャッチしたGKシュミットが、前線の久保へ高精度のキックを供給する。久保は相手を背負いながらボールをキープした。

65分には左サイドで町野と久保が相手を挟み込み、ボールを奪い取る。久保が中央へ持ち出し、鎌田がシュートへつなげた。

68分、森保監督が再び動く。伊東と久保が下がり、堂安律(SCフライブルク/ドイツ)、三笘薫(ブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFC/イングランド)が投入された。ポジションは同じで、堂安は2列目右サイド、三笘は同左サイドに入る。

2人の交代選手は、攻撃を活性化した。70分、堂安のパスを受けた三笘が、左サイドから内側へ切り込んでシュートする。75分、中山のパスを受けた堂安が、ゴール正面から左足で狙う。これは惜しくもGKに弾かれた。

1対0のままで迎えた86分、森保監督が最後の交代カードを切る。鎌田から原口元気(1.FCウニオン・ベルリン/ドイツ)へのスイッチだ。

この交代とともに、日本はシステムを変更する。DFラインは右から冨安、吉田、伊藤の3バックとなり、原口が右ウイングバック、中山が左ウイングバックとなる。ダブルボランチは遠藤と守田で変わらず、前線には右から堂安、町野、三笘だ。

リードを守り切るためにシステムを変更しつつ、日本は攻め手も探っていた。そして88分、貴重な追加点が生まれた。

左サイドからドリブルで持ち込んだ三笘が、相手DFを2人かわして右足でフィニッシュする。好守を見せていた相手GKも触れない一撃が、ゴール右隅に決まったのだった。

これまで主戦術としてきた4-3-3ではなく4-2-3-1でスタートし、先発メンバーにも手を加えた。終盤には3バックに変更した。来たる国際大会を見据えながらの勝利は、森保監督と選手たちにとって手ごたえを得られるものだったに違いない。

チームは3日後の27日に、同じデュッセルドルフでエクアドル代表との『キリンチャレンジカップ2022』に挑む。タイプの異なる相手に対して、どのような戦いを見せるのか。世界の舞台で輝くための準備は続く。

【文:戸塚啓】


※本文中の選手名、チーム名の表記、時間などは、日本サッカー協会様の発表に準じています。


試合データ

■9月23日 デュッセルドルフ・アレーナ
日本代表 [2-0] アメリカ代表

日本代表選手集合写真
  • 日本代表選手集合写真

写真提供/©JFA 2022年9月23日キリンチャレンジカップ2022 対アメリカ代表戦 先発メンバー

<代表監督> 森保 一

<出場選手>

■9月23日/デュッセルドルフ・アレーナ
日本代表 (1) 2 <鎌田 大地 三笘 薫>
アメリカ代表 (0) 0
日本
GK 権田(シュミット・ダニエル)
DF 冨安 酒井(伊藤) 中山 吉田
MF/FW 遠藤 久保(三笘) 守田 伊東(堂安) 鎌田(原口) 前田(町野)
アメリカ
GK マット・ターナー
DF セルジーニョ・デスト(レジー・キャノン) ウォーカー・ジンマーマン アーロン・ロング(マーク・マッケンジー) サム・バインズ
MF タイラー・アダムス ウェストン・マッケニー(マリク・ティルマン) ルカ・デラトーレ(ジョニー・カルドソ)
FW ヘスス・フェレイラ(ジョシュ・サージェント) ブレンデン・アーロンソン ジオ・レイナ(ジョーダン・モリス)

*月日/場所
 国名(前半得点)総得点<得点者>
*メンバー(交代メンバー)

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