兵庫 / ノエビアスタジアム神戸 2021.07.17
U-24 日本代表
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U-24 スペイン代表
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前 半
後 半
兵庫 / ノエビアスタジアム神戸 2021.07.17
U-24 日本代表
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U-24 スペイン代表
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前 半
後 半
日本がスペインからリードを奪う!
U-24日本代表が、世界のトップクラスと激突した。7月17日に『キリンチャレンジカップ2021』が兵庫/ノエビアスタジアム神戸で行なわれ、U-24日本代表がU-24スペイン代表と対戦したのである。
U―24スペイン代表には、直前に行なわれたA代表の国際大会に出場した選手が6人含まれていた。森保一監督は試合前日の公式会見で、「世界のトップレベルとの戦いで、(選手たちは)良い刺激を受けてほしい」と話しつつ、「選手たちには自信を持って、試合に勝つために臨んでほしい」と、勝利への意欲を口にした。
19時23分のキックオフ前には、医療従事者とエッセンシャルワーカー、私たちの日常を支えてくれているすべての人へ、感謝とエールを込めた拍手がおくられた。コロナ禍での『キリンチャレンジカップ』では、毎回行なわれているものだ。4909人の観衆と両チームの選手、スタッフが、心を込めて拍手をした。
日本は4-2-3-1のシステムを組む。GKは谷晃生(湘南ベルマーレ)が務める。4バックは右から酒井宏樹(浦和レッズ)、吉田麻也(サンプドリア/イタリア)、冨安健洋(ボローニャFC/イタリア)、旗手怜央(川崎フロンターレ)で構成される。吉田の左腕には、この日もキャプテンマークが巻かれている。
4バックの前では、遠藤航(VfBシュツットガルト/ドイツ)と板倉滉(マンチェスター・シティ/イングランド)がダブルボランチを組む。中盤の2列目には右から堂安律(PSVアイントホーフェン/オランダ)、久保建英(レアル・マドリード/スペイン)、相馬勇紀(名古屋グランパス)の3人が並び、1トップには林大地(サガン鳥栖)が入った。
キックオフとともにスペインがボールを保持し、日本がディフェンスをする構図で試合は進んでいく。日本はチーム全体がスキを見せないポジショニングを心掛け、相手選手をゴール前へ侵入させない。GK谷も高い集中力を維持し、守備陣と緊密な連携をはかっている。
相手の攻撃を封じながら、攻撃にも出ていく。19分、左サイドバックの旗手が、敵陣深くまで侵入した。33分には冨安のパスカットをきっかけに攻撃を組み立て、久保がペナルティエリア内から左足シュートを放つ。それによってつかんだ右CKを相馬が供給すると、板倉がヘディングシュートを浴びせた。
35分にも相手ゴールへ迫る。右サイドを駆け上がった酒井へ、吉田から浮き球のパスが通る。酒井はトラップをせずに、ワンタッチでゴール前へラストパスを送る。DFと競り合いながら林がスライディングで飛び込むが、わずかに合わない。
スペインのプレーのテンポと強度に慣れてきた日本は、さらに攻撃を仕掛ける。40分、左サイドでショートパスをつなぎ、遠藤の縦パスを受けて林がペナルティエリア左へ侵入する。DFを振り切った左足シュートが、バーをかすめるように逸れていった。
日本の攻撃が得点に結びついたのは、前半終了間際の42分だった。左サイドの旗手がタッチライン際の久保へスローインを入れると、久保は相手選手を振り切ってドリブルで持ち込む。ゴール前へマイナスのクロスが送られると、堂安が得意の左足で蹴り込んだ。
日本はこのまま1対0で、ハーフタイムを迎えた。
多くの選手を起用しての引分けに価値あり
後半開始とともに、森保監督が選手をまとめて入れ替える。「この試合は交代枠が11人なので、少しでも多くの選手を起用したい」との狙いに基づいたものだ。GK谷、吉田、酒井、冨安、遠藤、堂安、林の7人がベンチへ下がり、GK大迫敬介(サンフレッチェ広島)、瀬古歩夢(セレッソ大阪)、橋岡大樹(シントトロイデンVV/ベルギー)、町田浩樹(鹿島アントラーズ)、田中碧(フォルトゥナ・デュッセルドルフ/ドイツ)、三好康児(ロイヤル・アントワープFC/ベルギー)、前田大然(横浜F・マリノス)が出場する。DFラインには右から橋岡、瀬古、町田、旗手が並び、ダブルボランチは板倉と田中が構成する。2列目は右から三好、久保、相馬となり、前田が1トップに入る。
後半開始直後の49分、スペインに直接FKを与える。枠を襲ってきたシュートを、GK大迫がしっかりとキャッチする。62分には相手FWが至近距離からシュートを狙ってくるが、町田が身体を寄せてフリーで打たせない。
65分には2度目の選手交代が行なわれる。直前に左サイドから際どいクロスを供給した久保が、ベンチに下がった。代わって、上田綺世(鹿島アントラーズ)が投入される。これに伴い、前田が2列目の右サイドへポジションを変え、三好がトップ下へスライドする。上田は1トップだ。
同点に追いつきたい相手が執拗に攻めてくるものの、日本は粘り強いディフェンスで対抗する。瀬古と町田がゴール前中央で身体を張り、橋岡は1対1の局面で相手に食らいつく。田中も球際の攻防で譲らない。2列目にポジションを下げた前田は、献身的なプレスバックで守備陣をサポートする。
しかし78分、スペインに同点に追いつかれてしまう。直後の飲水タイムを挟み、相馬が退いて中山雄太(PECズヴォレ/オランダ)がピッチに立つ。中山は左サイドバックに入り、相馬が担っていた中盤2列目を旗手が担当する。
日本がスペインゴールを脅かしたのは84分だ。三好のスルーパスから上田が抜け出す。ペナルティエリア内でGKと1対1になるが、シュートはブロックされてしまった。
後半アディショナルタイムには直接FKを得る。ペナルティエリア外やや左から、田中が右足で狙う。相手DFに当たったシュートがGKを鋭く襲った。この直後、試合終了のホイッスルが鳴り響いた。
両チームが力を出し切った一戦は、1対1の引き分けに終わった。試合後の森保監督は「スペインに押し込まれる時間も長くあったが、世界のトップ・オブ・トップの力を持っているチームを相手に、粘り強く戦いながら守備だけでなく攻撃にもトライしてゴールを目ざしていく戦いをしっかりやってくれた」と総括した。9人の選手を交代させたことについては、「多くの選手がレベルの高い相手との厳しい戦いを経験できた」と話し、チームの強化につながったことを示唆した。
12日のU-24ホンジュラス代表戦に続いて行なわれた『キリンチャレンジカップ2021』をジャンピングボードとして、若き日本代表は世界へ羽ばたいていく。
※本文中の選手名、チーム名の表記、時間などは、オフィシャルプログラムと日本サッカー協会様のホームページに準じています。
試合データ
■7月17日 ノエビアスタジアム神戸
U-24 日本代表 [1-1] U-24 スペイン代表
<代表監督> 森保 一
<出場選手>
■7月17日/ノエビアスタジアム神戸
U-24日本代表 (1) 1 | <堂安 律> | |
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U-24スペイン代表 (0) 1 | <カルロス・ソレル> | |
U-24日本 | ||
GK | 谷(大迫) | |
DF | 吉田(瀬古) 酒井(橋岡) 板倉 旗手 冨安(町田) | |
MF | 相馬(中山) 遠藤(田中) 堂安(三好) 久保(上田) | |
FW | 林(前田) | |
U-24スペイン | ||
GK | ウナイ・シモン(アルバロ・フェルナンデス) | |
DF | パウ・トーレス オスカル・ヒル オスカル・ミンゲサ(エリック・ガルシア) フアン・ミランダ(マルク・ククレジャ) | |
MF | ダニ・セバージョス(ペドロ・ゴンサレス) ミケル・メリノ(カルロス・ソレル) マルティン・スビメンティ(ジョン・モンカジョラ) | |
FW | マルコ・アセンシオ(ハビ・プアド) ラファ・ミル(ミケル・オジャルサバル) ダニ・オルモ(ブライアン・ヒル) |
*月日/場所
国名(前半得点)総得点<得点者>
*メンバー(交代メンバー)
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