試合詳細レポート

2019

試合結果 KIRIN CHALLENGE CUP 2019 兵庫/ノエビアスタジアム神戸 2019年3月26日 日本代表 対 ボリビア代表 1:0

試合結果 KIRIN CHALLENGE CUP 2019 兵庫/ノエビアスタジアム神戸 2019年3月26日 日本代表 対 ボリビア代表 1:0

直近の試合からスタメンを総入れ替え

3月26日、SAMURAI BLUE(日本代表)とボリビア代表が対戦する『キリンチャレンジカップ2019』が、兵庫県のノエビアスタジアム神戸で開催された。日本がボリビアと対戦するのは、2000年6月の『キリンカップサッカー』以来、実に19年ぶりとなる。
日本の森保一監督は、4日前のコロンビア代表戦からスタメンを総入れ替えした。どんな試合でも結果を求めることを大前提としながら、チームの底上げを図っていく狙いがある。
GKはシュミット・ダニエル(ベガルタ仙台)で、最終ラインは右から西大伍(ヴィッセル神戸)、三浦弦太(ガンバ大阪)、畠中槙之輔(横浜F・マリノス)、安西幸輝(鹿島アントラーズ)の4人で構成される。西は11年6月以来の国際Aマッチで、畠中はデビュー戦だ。森保監督のもとで継続的に選考されている三浦にしても、国際Aマッチ出場は7試合目である。非常にフレッシュな組み合わせだ。
中盤では小林祐希と(SCヘーレンフェーン/オランダ)と橋本拳人(FC東京)がダブルボランチを組む。小林はこれが6試合目、橋本はデビュー戦である。
2列目には経験豊富な3人が並ぶ。右から宇佐美貴史(フォルトゥナ・デュッセルドルフ/ドイツ)、香川真司(ベシクタシュJK/トルコ)、乾貴士(デポルティーボ・アラベス/スペイン)である。宇佐美と香川は森保監督の指揮下で初先発だ。これが2試合目の出場となる1トップの鎌田大地(シントトロイデンVV/ベルギー)も、キックオフの瞬間をピッチで迎えるのは今回が初めてだ。

守備を固める相手をじっくりと崩していく

前半開始早々の3分、宇佐美が思い切りよくシュートを放つ。これが合図となり、日本は攻撃のエンジンをあげていく。5分、右センターバックの三浦がボールを持ち出し、右サイドバックの西へつなぐ。西のクロスがゴール前へ供給される。左サイドバックの安西も、序盤から積極的に前線へ飛び出していく。
この試合最初の決定的なシーンは、23分に訪れた。右サイドの宇佐美が左サイドの乾へパスをつなぐ。ドリブルでゴールへ迫った乾が右足で狙うと、相手GKの好セーブに阻まれた。
その後も日本は押し気味にゲームを進める。ボランチの小林と橋本が前線にパスを通し、ゲームキャプテンの香川がピッチを幅広く動いてリズムを作り出す。最終ラインでのビルドアップでは、GKシュミットもペナルティエリアから出てパスワークに加わった。
前半は0対0で折り返すことになったものの、ピッチの幅と奥行きを活用した日本の攻撃は、ボクシングのボディブローのように相手を疲弊させた。

選手交代で攻撃がさらに活性化!

スタメンの11人がそのままピッチに立った後半も、日本は相手ゴールを脅かしていく。58分、乾のスルーパスに反応した鎌田が、GKと1対1になる。素早く間合いを詰めたGKにブロックされたものの、崩しのイメージが共有されたシーンだった。
61分、森保監督が動く。宇佐美に代わって堂安律(FCフローニンゲン/オランダ)が、乾に代わって中島翔哉(アル・ドゥハイルSC/カタール)がピッチに立つ。さらに68分、香川が退いて南野拓実(ザルツブルク/オーストリア)が送り込まれ、同じタイミングで小林から柴崎岳(ヘタフェCF/スペイン)への交代も行われる。
73分には安西が退き、佐々木翔(サンフレッチェ広島)が左サイドバックに入る。選手が代わってもシステムは変わらず、4-2-3-1の配置で相手ゴールへ迫る。
待望の瞬間は76分にやってきた。自陣左サイドで佐々木がボールを奪い、南野から堂安へパスがつながり一気に敵陣へ侵入する。ボールは堂安から南野へ、さらに中島へとわたる。ペナルティエリア内左でパスを受けた中島は、対峙するDFの股間を抜いて強烈にゴールネットを揺らした。
先制点を奪っても、日本は攻撃の勢いを持続する。78分、中島の左足ループシュートがバーを直撃する。直後には南野、堂安が相手ゴールへ鋭く迫る。柴崎や西の攻撃のサポートも効果的だ。相手のシュートをわずか3本に抑えたディフェンスでは、三浦と畠中を中心にチャレンジ&カバーの原則が忠実に遂行されていた。橋本も1対1のバトルに激しく挑んでいる。良い守備から良い攻撃へつなげることができていたのだ。
83分には鎌田がベンチへ下がり、鈴木武蔵(北海道コンサドーレ札幌)が1トップに。鈴木は86分に左サイドからのクロスに飛び込み、ヘディングシュートを浴びせた。終了のホイッスルが鳴るまで攻撃的な姿勢を貫いた日本は、1対0の勝利をつかんだのだった。
後半に相手ゴールをこじ開ける結果となったが、試合後の森保監督は「前半から相手の嫌なところでボールを動かしたり、左右に揺さぶったりしてくれていた。前半からやってきたことが効いて、(後半から出場した)交代の選手が決めることになった」と振り返った。チーム全体でつかんだゴールということだろう。
22日のコロンビア戦、26日のボリビア戦の2試合で、失点はコロンビアに喫したPKによる1点だけだった。2試合を通して経験の少ない選手を多く起用しながら、安定感のある守備と意欲的な攻撃を披露することができた。それでも、森保監督は「選手層を少しでも厚くするということで、より多くの選手に日本代表としてプレーできる力を示してほしい」と話す。
平成最後のテストマッチを勝利で締めくくったチームは、元号が変わった6月に再び『キリンチャレンジカップ』を戦う。秋から始まるアジアでの公式戦へ向けて、チームはさらに成長していく。

※事実関係の表記は現地で配られたパンフレット、JFA様のホームページに準じています。

試合データ

■3月26日 ノエビアスタジアム神戸
日本代表 [1-0] ボリビア代表

日本代表選手集合写真
  • 日本代表選手集合写真

写真提供/©JFA 2019年3月26日キリンチャレンジカップ2019対ボリビア代表 先発メンバー

<代表監督> 森保 一

<出場選手>

■3月26日/ノエビアスタジアム神戸
日本代表 (0) 1 <中島 翔哉>
ボリビア代表 (0) 0
日本
GK シュミット・ダニエル
DF 西 三浦 安西(佐々木) 畠中
MF 乾(中島) 香川(南野) 小林(柴崎) 宇佐美(堂安) 橋本
FW 鎌田(鈴木)
ボリビア
GK カルロス・ランペ (Cap.)
DF ディエゴ・ベハラノ ロベルト・フェルナンデス
MF ルイス・アキン アドリアン・フシノ レオネル・フスティニアノ ルイス・バルガス(サムエル・ガリンド) ラウル・カストロ(エルウィン・サーベドラ)
FW レオナルド・バカ ヒルベルト・アルバレス(ヘンリー・バカ) ロドリゴ・ラマジョ(アレハンドロ・チュマセロ)

*月日/場所
 国名(前半得点)総得点<得点者>
*メンバー(交代メンバー)

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