森保監督の指揮下で、初スタメンの選手も
新たなフェーズへ向けて、SAMURAI BLUE(日本代表)が動き出した。
3月22日、日本代表が日産スタジアム(神奈川県)で『キリンチャレンジカップ2019』に挑み、コロンビア代表と対戦した。コロンビアとはこれまでに4度対戦しており、日本から見て1勝1分2敗となっている。日本国内での試合は07年6月の『キリンカップサッカー2007』で初めて実現しており、0対0で引き分けた。
1月から2月上旬にかけて行われた国際大会以来の試合に、森保一監督は以下の11人を先発に選んだ。システムはこれまでと同じ4-2-3-1である。
GKには東口順昭(ガンバ大阪)が指名された。昨年10月の『キリンチャレンジカップ2018』、対ウルグアイ戦以来の出場だ。最終ラインは右から室屋成(FC東京)、冨安健洋(シントトロイデンVV/ベルギー)、昌子源(トゥールーズFC/フランス)、佐々木翔(サンフレッチェ広島)で構成される。1月からフランスでプレーしている昌子は、森保監督指揮下で初めて出場となる。
ダブルボランチは山口蛍(ヴィッセル神戸)と柴崎岳(ヘタフェCF/スペイン)が構成する。山口も森保監督のもとでプレーするのは初めてだ。柴崎は主将の腕章を巻いてのプレーである。
2列目は右から堂安律(FCフローニンゲン/オランダ)、南野拓実(ザルツブルク/オーストリア)、中島翔哉(アル・ドゥハイルSC/カタール)の組み合わせだ。1トップの鈴木武蔵(北海道コンサドーレ札幌)は、国際Aマッチデビュー戦となる。
日本、コロンビアの両国は、6月開幕の国際大会を控えている。両チームにとって貴重な強化の機会となるゲームが、19時20分にキックオフされた。
2列目の3人を中心に、序盤からゴールへ迫る!
キックオフ早々の2分、日本はいきなりピンチを迎える。カウンターからクロスバーを直撃するシュートを浴びたのだ。世界ランキングで日本を上回る相手の攻撃は、世界のトップレベルと言っていい迫力がある。
日本もすぐに反撃する。9分、右ショートコーナーから昌子がヘディングシュートを放つ。10分、東口のゴールキックを鈴木が南野へつなぐと、南野がミドルレンジから左足を振り抜いた。ゴール右下を襲った一撃が、GKに防がれる。
17分、右サイドでパスを受けた堂安が、内側へ持ち出して得意の左足で狙う。堂安は21分にもゴール正面から鋭いシュートを打ち込んだ。
37分には鈴木が決定機を迎える。左サイドの中島のクロスを、相手DFのマークを外してヘディングで合わせた。至近距離からのシュートだったが、惜しくも枠を捕らえることはできなかった。
前半の日本は8本のシュートを記録し、コロンビアには3本しか許していない。室屋と佐々木の両サイドバックの攻撃参加や、山口と柴崎のダブルボランチのゲームコントロールも光った。初めてコンビを組む昌子と冨安も、スムーズな連携を見せている。ロッカールームへ引き上げる選手たちには、スタンドから拍手が降り注いだ。
PKで先行されるも、最後まで攻撃を仕掛けた!
後半開始は守備の局面が続いた。48分、日本の左サイドを突かれ、際どいシュートを許す。54分にも左サイドから際どいクロスを許した。新監督が就任したばかりのコロンビアも、勝利へ向けて惜しみない熱量を注いでくる。
日本もミドルシュートから相手ゴールへ迫る。56分、中島の右足シュートが相手GKを襲った。
スコアが刻まれたのは64分だった。相手のシュートをブロックした冨安がハンドの反則を取られ、PKを与えてしまう。GK東口は相手のシュートに反応したものの、弾き出すまでには至らない。日本はビハインドを背負った。
失点直後の65分、鈴木に代わって香川真司(ベシクタシュJK/トルコ)が投入される。30歳になったばかりの背番号10がトップ下のポジションに入り、南野がトップ下から1トップへポジションを移す。
66分、日本の右サイドを突破される。GK東口が身体を投げ出して防いだボールはゴール前へ残るが、帰陣した柴崎がいち早くクリアした。
追いかける日本は、71分に小林祐希(SCヘーレンフェーン/オランダ)が山口に代わって、乾貴士(デポルティーボ・アラベス/スペイン)が堂安に代わってピッチに立つ。ボランチの小林は、17年10月の『キリンチャレンジカップ2017』以来の出場だ。2列目の右サイドに入った乾が日本国内で国際試合に臨むのも、小林と同じく17年10月のハイチ戦以来である。
6万3千人を超える観衆が、大きく沸いたのは77分だ。小林の右CKを、冨安が頭で合わせる。フリーで放たれたシュートは、惜しくもGKの正面を突いた。
79分には南野がベンチへ下がり、鎌田大地(シントトロイデンVV/ベルギー)が1トップに入る。所属クラブで2ケタ得点をあげているこの22歳は、国際Aマッチデビュー戦だ。
選手を入れ替えながらも、日本はチームとしての機能性を保つ。83分には中島がペナルティエリア外から右足を強振する。パンチ力のある一撃が、バーを直撃した。
89分には左サイドバックの佐々木が退き、安西幸輝(鹿島アントラーズ)が同じポジションに入る。鈴木や鎌田と同様に、安西も初の国際Aマッチだ。
後半の追加タイムには、日本が立て続けにゴールへ迫った。小林、乾、香川がペナルティエリア内からシュートを浴びせるが、コロンビアも必死のディフェンスで対抗する。後半も8本のシュートを記録した日本だったが、0対1で終了のホイッスルを聞いた。
試合後の森保監督は、「前半のうちに1点奪えればよかった」と振り返った。同時に、「後半は相手に押し込まれるなかで、交代で入った選手たちが流れを引き寄せてくれて、試合終盤にまた相手ゴールへ迫ることができた」と、追いかける展開でのチームの反発力を評価した。
コロンビアの監督の言葉は興味深い。かつて日本のクラブで采配をふるったこともある彼は、「日本は中盤の技術レベルが大変高く、我々にとって難しい状況をたくさん作ってくれる。その意味で、今日の試合はとてもいい経験になった」と語った。ハイレベルな攻防が繰り広げられたことを示唆している。
森保監督のもとで戦った試合で、無得点に終わるのは初めてである。それでも、選手交代をしながら最後まで勝利を目ざして戦ったゲームは、チームの成長を促すものとなっただろう。
※事実関係の表記は現地で配られたパンフレット、JFA様のホームページに準じています。
試合データ
■3月22日 日産スタジアム
日本代表 [0-1] コロンビア代表
<代表監督> 森保 一
<出場選手>
■3月22日/日産スタジアム
日本代表 (0) 0 | ||
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コロンビア代表 (0) 1 | ||
日本 | ||
GK | 東口 | |
DF | 佐々木(安西) 昌子 室屋 冨安 | |
MF | 山口(小林) 柴崎 中島 南野(鎌田) 堂安(乾) | |
FW | 鈴木(香川) | |
コロンビア | ||
GK | カミロ・バルガス | |
DF | デイベル・マチャド ジェリー・ミナ エリベルトン・パラシオス ダビンソン・サンチェス | |
MF | ウィルマル・バリオス ヘフェルソン・レルマ ハメス・ロドリゲス(アルフレド・モレロス) | |
FW | ラダメル・ファルカオ(マテウス・ウリベ) ルイス・ムリエル(ルイス・ディアス) セバスティアン・ビジャ(ドゥバン・サパタ) |
*月日/場所
国名(前半得点)総得点<得点者>
*メンバー(交代メンバー)
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