成長を示す4ゴール! 2018年の最終戦を白星で飾る
直前のベネズエラ戦からスタメンを総入れ替え、2018年の最終戦を、SAMURAI BLUE(日本代表)が快勝で締めくくった。
11月16日のベネズエラ戦から4日後の同20日、日本代表が豊田(愛知県)で『キリンチャレンジカップ2018』に挑み、キルギス代表と対戦した。
試合前日の公式会見で森保一監督は、ベネズエラ戦を受けて「大幅にメンバーを替えて、より多くの選手プレーしてもらいたい」と話した。果たして、スタメンを総入れ替えしてキルギス代表を迎え撃つことになった。
ゴールマウスに立つのは権田修一(サガン鳥栖)だ。10月のパナマ戦以来の出場である。
4バックは右から室屋成(FC東京)、三浦弦太(ガンバ大阪)、槙野智章(浦和レッズ)、山中亮輔(横浜F・マリノス)で構成される。槙野は主将の腕章を託された。左サイドバックの山中は、国際Aマッチ初出場だ。
4-2-3-1のシステムのダブルボランチには、守田英正(川崎フロンターレ)と三竿健斗(鹿島アントラーズ)が指名された。守田は9月のコスタリカ戦以来の出場だが、この試合では右サイドバックで途中出場しており、本来のポジションでスタメンに名を連ねるのは初めてとなる。三竿は10月のパナマ戦以来の先発だ。
2列目は右から伊東純也(柏レイソル)、北川航也(清水エスパルス)、原口元気(ハノーファー96/ドイツ)の組み合わせだ。伊東と原口はパナマ戦以来の先発で、北川は日本代表3試合目で初めてのスタメン出場となる。1トップの杉本健勇(セレッソ大阪)も、森保監督指揮下では初のスタートからのプレーだ。
日本代表、キルギス代表ともに、来年1月にアジアナンバー1を決める国際大会を控えている。両チームにとって重要な意味を持つ一戦が、19時23分にキックオフされた。
試合はいきなり動く。開始2分、自陣から持ち出した北川が杉本へつなぎ、ボールは左サイドを上がってきた山中につながる。ペナルティエリア左から得意の左足で狙った一撃が、右ポストを叩いてゴールへ吸い込まれていった。
キルギス代表は5-4-1のシステムで守備を固めてくるが、日本代表はボールを保持しながら意欲的なトライを見せる。センターバックの槙野と三浦、ダブルボランチの三竿と守田らが、前後左右にボールを動かして攻撃にスイッチを入れていくのだ。
19分には2点目が生まれる。原口がドリブル突破で直接FKを得ると、自ら右足で蹴り込んだのだ。この日のスタメンでは最多の国際Aマッチ出場を誇る彼は、自らの特徴を出しながらチーム全体に目配せをしていった。
日本のチャンスは続く。伊東が決定的なシーンを迎え、杉本のヘディングシュートがGKの正面を突く。ビルドアップや崩しの局面ではアタッカー陣だけでなく、室屋と山中の両サイドバックも敵陣でプレーしていった。キルギス代表にわずか1本のシュートしか許さず、日本は2対0でハーフタイムを迎えた。
途中出場の選手が攻撃を活性化! 日本代表にスキなし!
後半も開始直後から、日本代表はキルギス代表のゴールに迫っていく。48分に槙野が、49分には三浦が左CKから空中戦に挑む。三浦はゴール前で競り勝ったが、シュートはGKの正面を突いた。
55分、三浦のサイドチェンジから山中が左サイドをえぐり、杉本がフリーでヘディングシュートを浴びせる。得点には結びついていないものの、攻撃の流れはスムーズだ。
ここで、森保監督が交代カードを切る。59分、三竿から柴崎岳(ヘタフェCF/スペイン)、伊東から堂安律(FCフローニンゲン/オランダ)、杉本から大迫勇也(ベルダー・ブレーメン/ドイツ)と、3選手が交代する。その2分後には槙野が負傷退場し、吉田麻也(サウサンプトン/イングランド)が左センターバックに入った。
交代選手の投入で攻撃が活性化していくと、72分に3点目を奪う。守田のタテパスを北川がワンタッチのヒールパスで大迫へつなぐ。大迫は自身の代表通算10得点目となるシュートを、右足で冷静に流し込んだのだった。
3対0とした直後、中島翔哉(ポルティモネンセSC/ポルトガル)が北川に、南野拓実(ザルツブルク/オーストリア)が原口に代わってピッチに立つ。すぐさま大迫、南野、堂安とパスがつながり、最後は中島がペナルティエリア内から右足でゴール左スミへシュートを突き刺す。中島は森保監督体制のもとで待望の初得点だ。
この時点で勝敗は決したと言っていいが、日本代表はなおもキルギス代表のゴールを脅かす。中島や南野のシュートが相手GKを慌てさせ、後半終了間際には三浦のヘディングシュートが右ポストを叩く。ゴールラインを割ったようにも見えたが、惜しくも得点は認められなかった。
国際Aマッチ出場の少ない選手も多かったなかで、日本代表はキルギス代表に力の差を見せつけた。キルギス代表監督は「実力的には日本が上だが、気持ちのうえでも我々が負けていた」と振り返ったが、森保監督が評価したのも選手たちの姿勢だった。
「選手たちは試合前から自分たちがレベルアップするための試合にする、成長するための試合にすると声を掛け合って、試合中も点差が開いてもチャレンジする姿勢を忘れず、自分たちで声を掛け合いながら意思統一してやってくれた。より高いレベルを目ざして戦うことを示してくれたことで、(1月の国際大会の)いい準備ができたと思います」
2018年9月以降に行なわれた『キリンチャレンジカップ2018』の5試合で、森保監督が率いる日本代表は様々なタイプのチームと対戦し、チームとしてはもちろん選手個人も貴重な経験を積むことができた。一つひとつの試合が確かな価値を持ち、2019年の活動を豊かなものにしていくに違いない。
試合データ
■11月20日 豊田スタジアム
日本代表 [4-0] キルギス代表
<代表監督> 森保 一
<出場選手>
■11月20日/豊田スタジアム
日本代表 (2) 4 | <山中 亮輔 原口 元気 大迫 勇也 中島 翔哉> | |
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キルギス代表 (0) 0 | ||
日本 | ||
GK | 権田 | |
DF | 槙野 山中 室屋 三浦 | |
MF | 原口 伊東 守田 三竿 | |
FW | 杉本 北川 | |
キルギス | ||
GK | パベル・マティアシュ | |
DF | ダニエル・タゴエ シェルゾト・シャキロフ(アイザル・アクマトフ) タミルラン・コズバエフ ムスタファ・イウスポフ | |
MF | エドガー・ベルンハルト(トゥルスナリ・ルスタモフ) ムロリムジョン・アフメドフ(ベクジャン・サギンバエフ) カイラト・ジルガルベク・ウール(アフリディン・イスライロフ) ファルハト・ムサベコフ(アジズ・シディコフ) バクティアル・ドゥイショベコフ | |
FW | ビタリー・ルクス(エルニスト・バティルカノフ) |
*月日/場所
国名(前半得点)総得点<得点者>
*メンバー(交代メンバー)
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