アクシデントを乗り越えて! ベネズエラとドローゲームを演じる
10月のウルグアイ戦をベースとしたスタメンで臨むSAMURAI BLUE(日本代表)が逞しさを発揮した。
11月16日、大分スポーツ公園総合競技場(大分県)で『キリンチャレンジカップ2018』が開催され、日本代表がベネズエラ代表と激突した。
両国の対戦は、今回が4度目となる。2010年、12年、14年に『キリンチャレンジカップ』で顔を合わせ、日本代表が1勝2分けと白星を先行させている。
日本代表のシステムは、森保一監督の体制で軸足となっている4-2-3-1だ。スタメンは10月16日の『キリンチャレンジカップ2018』、対ウルグアイ戦を「ベースとしたもの」(森保監督)で、GKには国際Aマッチデビューとなるシュミット・ダニエル(ベガルタ仙台)が指名され、最終ラインは右から酒井宏樹(オリンピック・マルセイユ/フランス)、冨安健洋(シントトロイデンVV/ベルギー)、吉田麻也(サウサンプトン/イングランド)、佐々木翔(サンフレッチェ広島)で構成される。吉田と冨安がセンターバックのコンビを組むのは初めてだ。
中盤では柴崎岳(ヘタフェCF/スペイン)と遠藤航(シントトロイデンVV/ベルギー)がダブルボランチを組む。2列目は右サイドに堂安律(FCフローニンゲン/オランダ)が、左サイドには中島翔哉(ポルティモネンセSC/ポルトガル)が入る。トップ下は南野拓実(ザルツブルク/オーストリア)だ。そして、1トップは3試合連続スタメンの大迫勇也(ベルダー・ブレーメン/ドイツ)である。
両チームを通じて最初に決定機をつかんだのは、日本代表ではなくベネズエラ代表だった。12分、相手エースストライカーがGKシュミット・ダニエルと1対1になる。柔らかなシュートが無人のゴールへ転がっていくが、冨安がゴールラインぎりぎりでクリアした。
日本も相手ゴールへ迫っていく。26分、大迫のラストパスからフリーの堂安が右足で狙うが、惜しくもワクを逸れてしまう。
34分には遠藤のパスから大迫が前を向き、中島へスルーパスを通す。背番号10はGKと1対1になるが、右足のシュートは相手GKに阻まれてしまった。
それでも39分、日本代表がスコアを動かす。右サイドの直接FKを中島がゴール前へ供給すると、酒井宏樹が右足ボレーで合わせた。国際Aマッチ出場49試合目の28歳は、嬉しい代表初ゴールである。
1対0とリードした直後の44分には、シュミット・ダニエルが正確なキックを大迫に通す。持ち味とする攻撃の起点になるプレーでも、この26歳の守護神はチームに貢献していく。
与えられた条件のなかで、チームは最善を尽くした
後半開始とともに、日本代表は攻撃のギアをさらにあげていく。51分、柴崎から大迫、堂安とパスがつながり、足を止めずに最前線まで飛び出した柴崎が、ペナルティエリア右からシュートを放つ。52分には中島の粘り強いボール保持をきっかけに、堂安がペナルティエリア左へ侵入してフィニッシュへ持ち込む。堂安、南野、中島、大迫の攻撃のカルテットが連動性を高め、遠藤と柴崎のダブルボランチが効果的に攻撃に絡むことで、日本は試合の主導権を握った。酒井と佐々木の飛び出しも、攻撃に厚みをもたらす。
追加点を狙っていくなかで、森保監督が動く。68分、大迫と北川航也(清水エスパルス)、中島と原口元気(ハノーファー96/ドイツ)が交代する。2列目の左サイドに入った原口は、74分に得意のドリブルで相手ゴールへ迫った。
77分にも交代カードが切られる。堂安が下がって杉本健勇(セレッソ大阪)が、南野が退いて伊東純也(柏レイソル)がピッチに立つ。2列目は右から伊東、北川、原口の並びとなり、杉本が1トップに入る。
その直後だった。ベネズエラにPKを与えてしまい、日本代表は1対1の同点に持ち込まれる。
日本代表が攻めたてる。83分、柴崎の右CKを杉本がヘディングで合わせる。後半アディショナルタイムの90+1分、原口のパスから北川が左足を振り抜く。その直後には右サイドから伊東がクロスを入れ、吉田が頭で合わせてネットを揺らす。しかし、オフサイドの判定で得点は認められない。試合はこのまま1対1で終了した。
日本代表が九州で国際試合を行なうのは、15年3月の『キリンチャレンジカップ2015』以来だった。キャプテンの吉田は「久しぶりの九州の試合で勝ちたかった」と悔しさをあらわにした。
それでも、与えられた条件のなかでチームが奮闘したのは間違いない。新体制発足後初の4連勝こそ逃したが、森保監督は「得点シーン以外にもチャンスを作れていたし、追加点を奪って勝ち切れればよかったが、相手も力のあるチームです。追いつかれて引分けたことは、チーム力を上げていくいい課題にしていきたい」と前を向いた。
日本代表は翌日からトレーニングを再開し、20日に豊田スタジアム(愛知県)へ舞台を移してキルギス代表との『キリンチャレンジカップ2018』に臨む。
試合データ
■11月16日 大分スポーツ公園総合競技場
日本代表 [1-1] ベネズエラ代表
<代表監督> 森保 一
<出場選手>
■11月16日/大分スポーツ公園総合競技場
日本代表 (1) 1 | <酒井 宏樹> | |
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ベネズエラ代表 (0) 1 | <T.リンコン> | |
日本 | ||
GK | シュミット・ダニエル | |
DF | 吉田 佐々木 酒井 冨安 | |
MF | 柴崎 遠藤 中島(原口) 南野(伊東) 堂安(杉本) | |
FW | 大迫(北川) | |
ベネズエラ | ||
GK | ラファエル・ロモ | |
DF | ロベルト・ロサレス ナウエル・フェラレシ ジョン・チャンセジョル ルイス・マゴ(ベルナルド・アニョル) | |
MF | ジャンヘル・エレラ(アリストテジェス・ロメロ) フニオル・モレノ(ヘフェルソン・サバリノ) ジョン・ムリジョ(ルイス・ゴンサレス) トマス・リンコン ダルウィン・マチス(セルヒオ・コルドバ) | |
FW | サロモン・ロンドン(ホセフ・マルティネス) |
*月日/場所
国名(前半得点)総得点<得点者>
*メンバー(交代メンバー)
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