開始17分までに2ゴールを奪取!
10月6日にニュージーランドを2対1で退けた一戦に続いて、10日にも『キリンカップチャレンジカップ2017』が開催された。舞台を神奈川県の日産スタジアムに移し、SAMURAI BLUE(日本代表)はハイチ代表と激突した。
チームを率いるヴァイッド・ハリルホジッチ監督は、4日前のニュージーランド戦からスタメンを9人入れ替えた。
GKには東口順昭(ガンバ大阪)が指名され、DFラインは酒井高徳(ハンブルガーSV/ドイツ)が右サイドバックに、長友佑都(インテル・ミラノ/イタリア)が左サイドバックに入る。2試合連続先発の長友は、左腕にキャプテンマークを巻く。
左センターバックの槙野智章(浦和レッズ)も、長友と同じく2試合連続先発だ。最終ライン中央で彼とコンビを組む右センターバックには、昌子源(鹿島アントラーズ)が入る。
この日の日本は4-3-3のシステムを採用し、中盤はアンカーと呼ばれる下がり目のポジションと、二人のインサイドハーフで構成される。アンカーは遠藤航(浦和レッズ)、右インサイドハーフは小林祐希(SCヘーレンフェーン/オランダ)、左インサイドハーフは倉田秋(ガンバ大阪)だ。小林は初先発だ。
3トップには右から浅野拓磨(Vfbシュツットガルト/ドイツ)、杉本健勇(セレッソ大阪)、乾貴士(SDエイバル/スペイン)が並ぶ。
試合はいきなり動く。7分、左サイド深くまで侵入した長友のクロスを、ニアサイドの倉田がヘディングで合わせたのだ。背番号7を着けた倉田は、ニュージーランド戦に続く2試合連続弾だ。
先制点で勢いをつかんだ日本は、17分に追加点を奪う。右サイドの酒井、乾、浅野がテンポよくパスをつなぎ、杉本のラストパスから倉田が右足で狙う。この一撃はGKに弾かれたものの、こぼれ球を杉本が左足でプッシュした。この日が3試合目の国際Aマッチ出場となる杉本は、自身初のスタメンで代表初ゴールをマークした。
リードを2点に広げた日本は、畳み掛けるようにハイチのゴールへ迫る。19分、浅野がDFのマークを受けながら強引にシュートへ持ち込む。ところが28分、中盤でのボールロストからゴールに迫られ、1点を返されてしまう。
2対1となった直後の31分、ペナルティエリア内でDFをかわした酒井が左足で決定的なシュートを放つ。惜しくも得点にはつながらなかったが、日本のアグレッシブな姿勢はスタンドを大いに沸かせた。
後半アディショナルタイムに執念の同点弾が!
後半開始とともに、ハリルホジッチ監督は2人の選手を交代させる。長友に代わって車屋紳太郎(川崎フロンターレ)が左サイドバックに、浅野が退いて原口元気(ヘルタ・ベルリン/ドイツ)が右ウイングに入った。
後半最初の得点は、日本ではなかった。53分、素早いリスタートから失点を喫する。スコアは2対2となった。
日本のベンチが反応する。56分に小林から井手口陽介(ガンバ大阪)、59分に倉田から香川真司(ボルシア・ドルトムント/ドイツ)、64分には杉本から大迫勇也(1.FCケルン/ドイツ)と、控え選手が相次いで起用されていく。
守備に軸足を置いて戦うハイチの守備陣を、日本は様々な手立てで崩しにかかる。71分、井手口が右足ミドルを浴びせ、ブロックされたボールを遠藤がペナルティエリア外からシュートする。73分にはゴール前で直接FKを得ると、原口、乾、香川がサインプレーを見せた。
ボールを保持しているのは日本で、敵陣でのプレー時間も圧倒的に長いのだが、78分には3点目を喫してしまう。ペナルティエリア外からの技巧的なシュートが、日本のゴール左上スミに吸い込まれていった。
リードされた日本は、80分にもピンチを迎える。しかし、至近距離からのシュートはGK東口がセーブする。槙野と昌子の両センターバックも、厳しいディフェンスでこれ以上の失点を許さない。
この試合最後の選手交代は、80分の武藤嘉紀の投入だった。乾に代わった背番号9は、そのまま左ウイングのポジションに入る。
前線にスペースを見つけにくい攻防のなかで、武藤や大迫は足を止めずに動き、ボールを引き出そうとする。原口は得意のドリブルで相手ゴールに迫る。
チーム全体の諦めない姿勢は、90+2分に得点へ結びつく。井手口、原口とボールがつながり、攻め上がった車屋が左サイドからクロスを入れる。グラウンダーのラストパスを酒井が左足で合わせ、ゴール前に詰めていた香川がワンタッチでコースを変える。日本は土壇場で追いつき、3対3の引き分けに持ち込んだのだった。
テストマッチでも貪欲に勝利を目ざしているだけに、試合後のハリルホジッチ監督は悔しさを隠さなかった。「この結果には全員が疑問を抱かないといけません」と、厳しい言葉を残している。しかし、チームとしても個人としても、新たな可能性を示したところはあるだろう。ニュージーランド、ハイチとの『キリンチャレンジカップ2017』を通して、日本はまた一歩前進したに違いない。
試合データ
■10月10日 日産スタジアム
日本代表 [3-3] ハイチ代表
<代表監督> ヴァイッド・ハリルホジッチ
<出場選手>
■10月10日/日産スタジアム
日本代表 (2) 3 | <倉田 秋 杉本 健勇 香川 真司> | |
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オマーン代表 (1) 3 | <ケビン・ラフランス デュカン・ナゾン> | |
日本 | ||
GK | 東口 | |
DF | 晶子 長友(車屋) 槙野 酒井 | |
MF | 遠藤 倉田(香川) 小林(井手口) | |
FW | 杉本(大迫) 乾(武藤) 浅野(原口) | |
ハイチ | ||
GK | ジョニー・プラシデ | |
DF | カルランス・アルキュス(サミュエル・マルドシー・ポンペ) メシャック・ジェローム ジェムズ・ジェフラール(ジャン・アンブローズ) アレックス・クリスティアン | |
MF | ザカリー・エリボー ケビン・ラフランス(レナルド・メテルス) | |
FW | ドナルド・ゲリエ(リシェロル・スプランジェ) デリック・エティエンヌ・ジュニア(アンドリュー・ジャンバプティステ) ジミー・サノン(ジョネル・デシーレ) デュカン・ナゾン |
*月日/場所
国名(前半得点)総得点<得点者>
*メンバー(交代メンバー)
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