鮮やかなゴールラッシュだった。
『キリンカップサッカー2016』が6月3日に愛知県豊田スタジアムで行われ、19時42分キックオフの第2戦でSAMURAI BLUE(日本代表)がブルガリアと対戦した。『キリンカップサッカー』の開催は5年ぶりで、通算では32回目となる。
ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が率いる日本は、4-2-3-1のシステムで臨んだ。GKには昨年6月以来の出場となる川島永嗣(ダンディー・ユナイテッド/スコットランド)が起用され、4バックは右から酒井宏樹(ハノーファー96/ドイツ)、吉田麻也(サウサンプトン/イングランド)、森重真人(FC東京)、長友佑都(インテル・ミラノ/イタリア)が形成する。
中盤では長谷部誠(アイントラハト・フランクフルト/ドイツ)と柏木陽介(浦和レッズ)がダブルボランチを組む。長谷部はキャプテンを務める。
2列目は右から小林悠(川崎フロンターレ)、香川真司(ボルシア・ドルトムント/ドイツ)、清武弘嗣(ハノーファー96/ドイツ)の並びだ。1トップは岡崎慎司(レスター・シティー/イングランド)である。
試合はいきなり動く。4分、柏木がDFラインの背後へミドルパスを通すと、フリーで抜け出した岡崎がヘディングシュートを突き刺したのだ。
1-0でリードした22分、ブルガリアにヒヤリとさせられる。至近距離からの決定的なヘッドに襲われるが、GK川島が俊敏な反応で弾き出した。
その後はブルガリアに付け入るスキを与えず、日本は得点を重ねていく。27分、長友のクロスから香川がヘディングシュートでネットを揺らす。35分には右サイドから小林悠がグラウンダーのクロスを送り、清武がスルーで流す。足元でパスを受けた香川が見事な反転でDFのマークを振り切り、左足でシュートを決めたのだった。
38分には4点目が生まれる。右ショートコーナーから長谷部がペナルティエリア左へクロスを送る。森重がヘディングでゴール前へ折り返すと、フリーで詰めた吉田が頭で難なくプッシュした。
前半終了間際には、アクシデントが。すでに2得点をあげている香川が接触プレーで腰を痛め、44分に宇佐美貴史(ガンバ大阪)と交代する。
ハリルホジッチ監督は後半開始とともに、2人目の交代選手を送り出す。岡崎がベンチへ下がり、金崎夢生(鹿島アントラーズ)が起用された。金崎はそのまま1トップに入り、システムも4-2-3-1が維持される。
すでに4-0とリードしているものの、日本は後半もアグレッシブにゴールを目ざす。53分、清武が金崎とのワンツーで右サイドを破り、グラウンダーのクロスを中央へ。GKもDFも触れない絶妙なボールを、吉田が右足で押し込んだ。
4分後、豊田スタジアムにこの試合6度目の歓喜が訪れる。右サイドから酒井宏がクロスを供給すると、ボールはファーサイドの宇佐美へわたる。胸トラップからボールの落ち際を右足でとらえた一撃が、正確に逆サイドネットをとらえた。
59分に1点を返された日本は、その直後に小林が退いて浅野拓磨(サンフレッチェ広島)が出場する。70分に清武から原口元気(ヘルタ・ベルリン/ドイツ)へ、76分には長谷部から遠藤航(浦和レッズ)への交代がなされ、日本は選手を入れ替えながらチームのクオリティを保ち、攻撃の迫力と勢いを持続する。遠藤はボランチとしてゲームをコントロールし、原口は得意のドリブルから積極的に仕掛けた。長谷部が退いたことで、長友がキャプテンの腕章を巻いた。
82分に2失点目を喫したものの、日本は最後までアグレッシブな姿勢を貫く。ハリルホジッチ監督も勝利を目ざしつつ、選手のテストを最後まで追求した。84分、吉田を下げて昌子源(鹿島アントラーズ)を起用する。短い出場時間のなかで、昌子はゲームの流れへ入っていった。
87分には7点目をつかむ。浅野が自ら得たPKを、右足で決めたのだ。U -23日本代表の一員でもある浅野は、国際Aマッチ出場4試合目で初ゴールをマークした。
リードを5点差へ広げた直後、ブルガリアにPKを与えてしまう。しかし、GK川島が相手のシュートを鮮やかにストップする。スタンドを埋め尽くした41940人の観衆に、テレビで応援するファン・サポーターに、日本は7対2の勝利を捧げたのだった。
試合後のハリルホジッチ監督は、「素晴らしい試合でした。とくに攻撃では、かなり高いレベルでプレーができていました」と、チームのパフォーマンスを讃えた。
この試合に先立って行われたボスニア・ヘルツェゴビナ対デンマークは、2対2の末にPK戦へもつれ、ボスニア・ヘルツェゴビナが4対3で競り勝った。この結果、日本は7日の決勝戦でボスニア・ヘルツェゴビナと対戦することになった。
試合データ
■6月3日 豊田スタジアム
日本代表 [7-2] ブルガリア代表
<代表監督> ヴァイッド・ハリルホジッチ
<出場選手>
■6月3日/豊田スタジアム
日本代表 (4) 7 | <岡崎慎司 香川 真司 香川 真司 吉田 麻也 吉田 麻也 宇佐美 貴史 浅野 拓磨> | |
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ブルガリア代表 (0) 2 | <M.アレクサンドロフ I.チョチェフ> | |
日本 | ||
GK | 川島 | |
DF | 長友 森重 吉田(昌子) 酒井 | |
MF | 長谷部(遠藤) 柏木 香川(宇佐美) 清武(原口) | |
FW | 岡崎(金崎) 小林(浅野) | |
ブルガリア | ||
GK | ボジダル・ミトレフ | |
DF | ジブコ・ミラノフ アレクサンダル・アレクサンドロフ(イボ・イバノフ) ストラヒル・ポポフ(ベンシスラフ・バシレフ) ゲオルギ・テルジエフ | |
MF | スベトスラフ・ディアコフ イベリン・ポポフ(ステファン・ベレフ) ミハイル・アレクサンドロフ(ガリン・イバノフ) イバイロ・チョチェフ | |
FW | ディミタル・ランゲロフ(ベントシスラフ・フリストフ) マルセロ・ナシメントダコスタ(ゲオルギ・ミラノフ) |
*月日/場所
国名(前半得点)総得点<得点者>
*メンバー(交代メンバー)
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