新監督就任後初勝利を目ざす!
ハビエル・アギーレ監督指揮下で3試合目となる『キリンチャレンジカップ2014』が、10月10日に新潟県のデンカスタジアムで開催された。SAMURAI BLUE(サッカー日本代表)がこのスタジアムのピッチに立つのは、12年9月の『キリンチャレンジカップ』以来だ。
9月に行われたウルグアイ、ベネズエラとの『キリンチャレンジカップ』に続いて、アギーレ監督はこの試合でも選手の見極めに重点を置いた。メキシコ人指揮官が見据えるのは、2015年1月に控える国際大会だ。
GKには西川周作(浦和レッズ)が指名された。最終ラインは右から酒井高徳(VfBシュツットガルト/ドイツ)、塩谷司(サンフレッチェ広島)、森重真人(FC東京)、長友佑都(インテル・ミラノ/イタリア)が、4バックを構成する。塩谷は国際Aマッチ初出場だ。
中盤は細貝萌(ヘルタ・ベルリン/ドイツ)がアンカーを務め、右インサイドハーフに柴崎岳(鹿島アントラーズ)が、左インサイドハーフには香川真司(ボルシア・ドルトムント/ドイツ)が起用された。今夏に所属クラブを変えた香川は、アギーレ監督のもとで初めてピッチに立つ。
3トップは右に本田圭佑(ACミラン/イタリア)、中央に岡崎慎司(1.FSVマインツ/ドイツ)、左に武藤嘉紀(FC東京)の並びだ。過去2試合は途中出場だった武藤は、日本代表で初めての先発となる。
19時29分のキックオフの一戦は、寒さも熱さも感じない絶好のコンディションだ。そのなかで、日本は主導権を握っていく。
最初の好機は4分だ。ゴール正面からの直FKを、本田が左足で狙う。14分には香川が、左足ミドルで相手GKを脅かす。
その直後だった。岡崎が敵陣でボールを奪ったプレーが、攻撃のスイッチとなる。ゴール前へ飛び出した本田にボールがつながり、さらにペナルティエリア右の柴崎へわたる。柴崎の右足のクロスが、相手のオウンゴールを誘う。16分、日本が先制した。
40分には酒井が攻撃力を発揮する。右サイドからカットインし、左足でフィニッシュへ持ち込む。この一撃は相手DFにブロックされたが、ゴール前の岡崎がすかさず反応する。オーバーヘッドでゴールを狙った。
前半の日本は9本のシュートを浴びせつつ、ジャマイカには1本しか許していない。日本のリードで前半を終了したのは、きわめて論理的なものだっただろう。
20本のシュートを浴びせてジャマイカを圧倒!
後半も日本がイニシアチブを掌握する。ジャマイカのゴールへ迫るシーンが続く。
59分、アギーレ監督が交代のカードを切る。岡崎に代わって小林悠(川崎フロンターレ)が出場し、前線は右から小林、武藤、本田の並びとなる。
61分には決定機を作り出す。香川が左サイドを切り崩し、ゴール前へクロスを供給する。武藤がヘディングシュートで合わせたが、相手GKの好守に阻まれた。
72分、左ショートコーナーの流れから、小林がペナルティエリア内で左足を振り抜く。相手GKは弾き出すのが精いっぱいだった。
74分には武藤が下がり、柿谷曜一朗(FCバーゼル1893/スイス)が登場する。背番号11を着けた柿谷は、それまで武藤が務めていた最前線中央へポジションを取る。
攻撃陣が相手ゴールを脅かす一方で、守備陣も高い集中力でゴールにカギをかけた。79分には自陣でボールを失うが、森重の冷静な対応がピンチの芽を摘み取った。
森重とコンビを組んだ塩谷も、落ち着いたプレーで守備の安定を促した。西川は絶え間ないコーチングで最終ラインと緊密な関係を保ち、バックパスを的確に処理してボールまわしにも参加した。
後半終了間際の89分には、太田宏介(FC東京)が左サイドバックに入る。ベンチに下がった長友は、攻守にアグレッシブなプレーを見せての交代となった。
90分には田口泰士(名古屋グランパス)が投入される。23歳の彼は、国際Aマッチデビューだ。代わってピッチを去った細貝は、持ち前のハードワークで存在感を示した。
試合後のアギーレ監督は「勝てたことは嬉しいが、あと5,6点は取れたと思う」と、シュート20本で1点に終わった攻撃に目を向けた。それでも、「全体として集中して良いプレーができたし、チームが機能したことは良かった」と、試合内容には一定の評価を与えている。
アギーレ監督のもとで初勝利をつかんだ日本は、10月14日にシンガポールでブラジルと対戦した。さらに11月にも『キリンチャレンジカップ』を2試合消化し、2015年1月の国際大会に備えていく。
試合データ
■10月10日 デンカビッグスワンスタジアム
日本代表 [1-0] ジャマイカ代表
1) GK 西川 周作 2) DF 塩谷 司 3) DF 森重 真人 4) FW 武藤 嘉紀 5) FW 本田 圭佑 6) MF 細貝 萌 7) DF 酒井 高徳 8) DF 長友 佑都 9) MF 柴崎 岳 10) FW 岡崎 慎司 11) MF 香川 真司 |
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1) GK 西川 周作
2) DF 塩谷 司
3) DF 森重 真人
4) FW 武藤 嘉紀
5) FW 本田 圭佑
6) MF 細貝 萌
7) DF 酒井 高徳
8) DF 長友 佑都
9) MF 柴崎 岳
10) FW 岡崎 慎司
11) MF 香川 真司
<代表監督> ハビエル・アギーレ
<出場選手>
■10月10日/デンカビッグスワンスタジアム
日本代表 (1) 0 | <オウンゴール> | |
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ジャマイカ代表 (0) 0 | ||
日本 | ||
GK | 西川 | |
DF | 酒井 長友(太田) 塩谷 | |
MF | 森重 柴崎 香川(田口) 細貝 | |
FW | 本田 岡崎(小林) 武藤(柿谷) | |
ジャマイカ | ||
GK | ライアン・トンプソン | |
DF | ナイロン・ノスワーシー ウェストリー・モーガン アルバス・パウエル ジャーメイン・テイラー ニコリー・フィンレイソン(ヒューアン・グレイ) ケマー・ローレンス | |
MF | ジョエル・グラント(カーデル・ベンボー) ジェボーン・ワトソン | |
FW | デーン・リチャーズ(ダレン・マトックス) ジャマー・ロザ(マイケル・シートン) |
*月日/場所
国名(前半得点)総得点<得点者>
*メンバー(交代メンバー)
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