南米の実力国と3度目の対戦!
ハビエル・アギーレ監督のもとで初陣を飾った4日後の9月9日、『キリンチャレンジカップ2014』が開催された。舞台は横浜市の横浜国際競技場だ。
対戦相手はベネズエラである。強豪ひしめく南米で、存在感を増している実力国だ。過去には2010年2月の『キリンチャレンジカップ』と12年5月の『キリンチャレンジカップ』で対戦し、いずれも引き分けている。4年後へ向けて新たなスタートを切ったSAMURAI BLUE(サッカー日本代表)には、格好の相手と言っていいだろう。
年内に行われるテストマッチを、アギーレ監督は来年1月の国際大会へ向けたテストと位置付けている。このため、ウルグアイ戦同様に国際Aマッチ出場数の少ない選手や初選出の選手と、これまでの主軸選手によってメンバーが構成された。
システムはウルグアイ戦に続いて、4-3-3が採用された。GKは2試合連続で川島永嗣(スタンダール・リエージュ/ベルギー)が務め、最終ラインには右から酒井高徳(VfBシュツットガルト/ドイツ)、水本裕貴(サンフレッチェ広島)、吉田麻也(サウサンプトン/イングランド)、長友佑都(インテル・ミラノ/イタリア)が並ぶ。
中盤は森重真人(FC東京)がアンカーに入り、右インサイドハーフに細貝萌(ヘルタ・ベルリン/ドイツ)、左インサイドハーフに柴崎岳(鹿島アントラーズ)が入る。柴崎は国際Aマッチ初出場だ。
3トップは右に本田圭佑(ACミラン/イタリア)、中央に大迫勇也(1.FCケルン/ドイツ)、左に柿谷曜一朗(FCバーゼル1893/スイス)だ。本田はウルグアイ戦に続いて、この日もゲームキャプテンを務める。
素早い連動から相手ゴールへ迫る!
ベネズエラのキックオフで始まった一戦は、日本のアグレッシブな姿勢がスタンドを沸かせる。相手がキックオフしたボールを大迫がチェイスし、連動した柿谷か奪う。さらにボールは本田へつながる。背番号4を着けた本田は、得意の左足でゴールを狙った。
11分には相手CKから、素早い切り替えで攻撃を仕掛ける。スピード豊かなコンビネーションが、相手守備陣を脅かした。28分には大迫がフィジカルの強さを見せ、独力でフィニッシュへ持ち込む。
直後の28分には、守備陣がチームを救う。自陣でボールを失い最終ライン中央を割られるが、GK川島が1対1の場面を防いだ。懸命に帰陣した吉田のスライディングも、シュートコースを限定していただろう。
38分、39分にも日本が相手ゴールへ迫り、スタジアムの歓声を誘う。得点こそ生まれなかったものの、スリリングな攻防は目が離せない。両チームの闘志がぶつかり合った一戦は、0対0でハーフタイムを迎えた。
後半開始とともに、アギーレ監督は2人の選手を交代させる。柿谷に代わって武藤嘉紀(FC東京)が、大迫が退いて岡崎慎司(1.FSVマインツ05/ドイツ)が登場する。武藤は3トップ左に、岡崎は3トップ中央にポジションを取る。
果たして、指揮官の采配は得点を生み出す。51分だった。最前線の岡崎がロングボールを競り、セカンドボールを武藤が支配する。瞬く間にトップギアへシフトした武藤は、ペナルティエリア手前で左足を振り抜く。低く鋭い一撃が、ゴール右へ吸い込まれた。
58分にはPKから同点とされるが、日本が意気消沈することはない。横浜国際競技場が、この日2度目の歓声に包まれたのは67分だ。左サイドからのクロスを、ファーサイドへ詰めた柴崎が右足ボレーでたたき込んだのだ。
2対2の同点に追いつかれた直後の75分、アギーレ監督は細貝を下げて田中順也(スポルティング/ポルトガル)を送り出す。田中は中盤の左サイドに入り、柴崎が左から右へスライドする。
日本は攻めた。局面で激しく戦い、相手ゴールへ向かう意識を見せた。2対2の引き分けに終わったが、見どころ十分の一戦だった。試合後のアギーレ監督が「選手のパフォーマンスには満足している」と話したのも、選手たちの積極的な姿勢を評価したからに違いない。
新たな力が経験者を刺激し、経験者は存在感を発揮する。高い競争意識のもとで、チーム全体がレベルアップしていく。6万4千人を越える大観衆で埋まった横浜国際競技場で、アギーレ監督率いるSAMURAI BLUEは無限の可能性を示したのだった。
試合データ
■9月9日 横浜国際総合競技場
日本代表 [2-2] ベネズエラ代表
1) GK 川島 永嗣 2) DF 吉田 麻也 3) DF 水本 裕貴 4) DF 森重 真人 5) FW 大迫 勇也 6) FW 本田 圭佑 7) MF 細貝 萌 8) MF 柴崎 岳 9) DF 長友 佑都 10) DF 酒井 高徳 11) FW 柿谷 曜一朗 |
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1) GK 川島 永嗣
2) DF 吉田 麻也
3) DF 水本 裕貴
4) DF 森重 真人
5) FW 大迫 勇也
6) FW 本田 圭佑
7) MF 細貝 萌
8) MF 柴崎 岳
9) DF 長友 佑都
10) DF 酒井 高徳
11) FW 柿谷 曜一朗
<代表監督> ハビエル・アギーレ
<出場選手>
■9月9日/横浜国際総合競技場
日本代表 (0) 2 | <武藤 嘉紀 柴崎 岳> | |
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ベネズエラ代表 (0) 2 | <マリオ・ロンドン ガブリエル・シチェロ> | |
日本 | ||
GK | 川島 | |
DF | 水本 酒井 高 長友 森重 吉田 | |
MF | 柴崎 細貝(田中) | |
FW | 本田 柿谷(武藤) 大迫(岡崎) | |
ベネズエラ | ||
GK | ダニエル・エルナンデス | |
DF | オスワルド・ビスカロンド ガブリエル・シチェロ ロベルト・ロサレス グレンディー・ペロソ アレクサンデル・ゴンサレス | |
MF | トマス・リンコン ルイス・マヌエル・セイハス(フランコ・シニョレッリ) アレハンドロ・ゲラ(ニコラス・フェドル) | |
FW | マリオ・ロンドン(フアン・ファルコン) サロモン・ロンドン(ホセフ・マルティネス) |
*月日/場所
国名(前半得点)総得点<得点者>
*メンバー(交代メンバー)
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