試合詳細レポート

2013

KIRIN CHALLENGE CUP 2013 試合結果 2/6(Wed) ホームズスタジアム神戸(兵庫県)日本代表 3-0 ラトビア代表

今季初戦に海外組が集結!

 SAMURAI BLUE(サッカー日本代表)にとって2013年の初戦となる『キリンチャレンジカップ2013』のラトビア代表戦が、2月6日にホームズスタジアム神戸(兵庫県)で開催された。SAMURAI BLUEがホームズスタジアム神戸でゲームを行なうのは、2011年10月の『キリンチャレンジカップ2011』以来となる。
 欧州各国リーグがほぼシーズン中なのに対し、国内のJリーグはシーズン前の準備期間にあたる。このため、チームを率いるアルベルト・ザッケローニ監督は、メンバー発表当初から海外組の積極的な起用を示唆していた。実際にスタートリストには、過去最多となる10人の海外クラブ所属選手が並んだ。
 キム・ジョンヒョク主審のホイッスルで始まったゲームは、序盤から日本が主導権を掌握する。1トップの岡崎慎司(VfBシュツットガルト/ドイツ)を攻撃の起点に、清武弘嗣(1.FCニュルンベルク/ドイツ)、本田圭佑(CSKAモスクワ/ロシア)、香川真司(マンチェスター・ユナイテッド/イングランド)が2列目に入る攻撃陣は、ダブルボランチの長谷部誠(VfLヴォルフスブルク/ドイツ)と細貝萌(バイエル・レバークーゼン/ドイツ)の積極的なサポートもあり、相手守備陣に脅威を与えていく。
 最初のチャンスは18分だった。本田のダイレクトパスから清武が右サイドを抜け出し、ゴール前へラストパスを送る。2列目の左サイドから中央へ走り込んだ香川が、フリーでシュートを放った。22分に長谷部が、24分には本田が鋭いミドルシュートを浴びせ、相手GKを脅かす。
 時間の経過とともに、攻撃の厚みが増していった。右サイドバックの内田篤人(FCシャルケ04/ドイツ)、左サイドバックの長友佑都(インテル・ミラノ/イタリア)もアタッキングサードへ飛び出し、効果的なクロスで攻撃陣のフィニッシュを引き出す。30分には長友のクロスから、岡崎がフリーでヘディングシュートを放った。
 先制点は41分に生まれた。細貝の縦パスをスイッチに相手ゴールへ迫り、清武、長谷部が敵陣で粘ってボールをつないでいく。ペナルティエリア内右でパスを受けた内田は、速くて低いクロスをゴール前へ送った。
 このボールに、岡崎が反応する。「狙っていた形」と話すダイレクトシュートで、地元である神戸の夜空に歓声を轟かせた。

立て続けの得点に観衆が熱狂! 交代選手も躍動!

 1対0とリードした後半、ザッケローニ監督は細貝に代えて遠藤保仁(ガンバ大阪)を、清武に代えて前田遼一(ジュビロ磐田)を投入する。ダブルボランチは遠藤と長谷部となり、岡崎が2列目の右サイドへ下がり、前田が1トップに入った。
 後半は開始早々からラトビアを圧倒する。49分、香川のラストパスを前田がヘディングで合わせると、左ポストを直撃する。52分には内田が右サイドを駆け上がり、トップ下の本田がシュートへ持ち込んだ。
 60分には追加点をあげる。フィールドのほぼ中央で左サイドへ展開した本田が、トップスピードでゴール前へ突進する。香川のラストパスをペナルティエリア内で受けると、GKの頭上を越す技巧的なシュートがネットを揺らした。
 さらに61分、スタジアムが歓喜に包まれる。敵陣で前田がしっかりとボールを収め、サポートした香川へつなぐ。背番号10が最終ラインの背後へダイレクトパスを通すと、岡崎が絶妙なタイミングで反応する。飛び出したGKを軽やかにかわすと、無人のゴールへ難なく押し込んだ。
 直後の62分、ザッケローニ監督が交代選手を送り出す。内田が退いて酒井高徳(VfBシュツットガルト/ドイツ)が登場し、本田がベンチに下がって乾貴士(アイントラハト・フランクフルト/ドイツ)が起用される。2列目の並びは右から岡崎、香川、乾となる。
 66分にも交代が行われた。センターバックの今野泰幸(ガンバ大阪)から、伊野波雅彦(ジュビロ磐田)へのスイッチだ。最終ライン中央は、今野と吉田麻也(サウサンプトン/イングランド)から、吉田と伊野波のコンビとなった。控え選手を含めて代表チームの戦い方を再確認するのも、『キリンチャレンジカップ2013』の大切な目的である。
 途中出場の選手では、乾が積極性をアピールした。セレッソ大阪時代の僚友だった香川や、同サイドの長友とのパス交換で再三にわたり相手ゴールへ迫る。およそ30分の出場時間で、チーム最多となる7本のシュートを浴びせた。試合後には「いいボールももらえたし、決めたかった」と悔しさを滲ませたが、攻撃にさらなる勢いをもたらしたプレーは評価されるべきだ。
 81分にはこの試合最後の交代選手として、大津祐樹(VVVフェンロ/オランダ)がピッチに立つ。U-23日本代表で評価を高めた若武者の登場に、スタジアムが沸き上がる。「試合に出たい気持ちが強かったので、使ってもらって嬉しかった」と話した彼は、短い時間で持ち味を発揮する。出場早々に右サイドを突破した仕掛けは、今後につながるアピールとなったに違いない。
 27本のシュートを浴びせたラトビア戦は、3対0の快勝で終了した。GK川島永嗣(スタンダール・リエージュ/ベルギー)と今野、吉田らを中心とするディフェンス陣も、危なげない90分を過ごしている。シーズンの初戦としては、申し分のない出来だったと言っていい。試合後のザッケローニ監督も、「後半になって思いどおりのプレーができた」と振り返っている。
 3月、6月には重要な公式戦が控えている。「きわめて大切な1年」とザッケローニ監督が位置づける2013年の第一歩を、日本は力強く踏み出したのだった。

試合データ

■2月6日 ホームズスタジアム神戸
日本代表 [3-0] ラトビア代表

日本代表選手集合写真 説明イラスト  1) FW 本田 圭佑
 2) DF 今野 泰幸
 3) DF 吉田 麻也
 4) FW 香川 真司
 5) MF 細貝 萌
 6) GK 川島 永嗣
 7) FW 岡崎 慎司
 8) FW 清武 弘嗣
 9) DF 内田 篤人
10) DF 長友 佑都
11) MF 長谷部 誠
  • 日本代表選手集合写真
  • 説明イラスト
  •  1) FW 本田 圭佑
     2) DF 今野 泰幸
     3) DF 吉田 麻也
     4) FW 香川 真司
     5) MF 細貝 萌
     6) GK 川島 永嗣
     7) FW 岡崎 慎司
     8) FW 清武 弘嗣
     9) DF 内田 篤人
    10) DF 長友 佑都
    11) MF 長谷部 誠

写真提供/©Jリーグフォト

<代表監督> アルベルト ザッケローニ

<出場選手>

■2月6日/ホームズスタジアム神戸
 
日本代表 (1) 3 <岡崎慎司 本田圭佑 岡崎慎司>
ラトビア代表 (0) 0
日本    
GK 川島
DF 長友 内田(酒井高徳) 今野(伊野波) 吉田
MF 細貝(遠藤) 長谷部
FW 本田(乾) 清武(前田) 岡崎(大津) 香川
ラトビア    
GK アンドリス・バニンス
DF ナウリス・ブルビーティス  デニス・イバノフス  カスパルス・ゴルクシュス  リトバルス・ルギンス
MF オリェグス・ライザーンス(ユリス・ジガイエフス)  アレクサンドルス・カウニャ(アランス・シニェリュニコフス)  アレクセイス・ビシュニャコフス(アルトゥルス・ジュジンス)  アレクサンドルス・フェルトフス
FW ブラディミルス・カメシュス(ビターリース・マクシメンコ)  エドガルス・ガウラチュス(マーリス・ベルパコフスキス)

*月日/場所
 国名(前半得点)総得点<得点者>
*メンバー(交代メンバー)

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