試合詳細レポート

2000

キリンチャレンジ2000
9月5日 日本オリンピック代表×モロッコオリンピック代表

 5日、東京・国立競技場でシドニーオリンピック壮行試合「キリンチャレンジ2000・日本オリンピック代表対モロッコオリンピック代表戦」が行われた。前半はモロッコの技術の高さに加え、自らのパスミスで押され気味の展開に陥った日本。先制ゴールも許してしまうが、後半に入って怒涛の攻撃を見せ、3-1で快勝した。2日のクウェート戦に続く勝利で、シドニーオリンピック本番に向けて大きな弾みがついた。

 オリンピックアフリカ予選をグループCの1位で通過したモロッコは、クウェートとは全く違うタイプのチーム。ボールコントロールが巧みで、身体的に強く、激しさを前面に押し出してくる。
 日本は前半、稲本潤一(G大阪)をボランチ1枚にし、中村俊輔(横浜)と中田英寿(ローマ)をトップ下に並べる布陣を取った。しかし日本は中盤でも、最終ラインでも、たびたび数的不利な状況に追いこまれ全体のバランスが崩れていた。前半8分のモロッコ、エルブシュのミドルシュートは、そんな流れの中から生まれた。

 後半に入ると、日本はクウェート戦同様にシステムの修正を試みる。松田直樹(横浜)を下げ、森岡隆三(清水)を3バックの真ん中に起用。中盤も稲本、明神をダブルボランチにし、左サイドに本山雅志(鹿島)、右サイドに酒井友之(市原)を投入した。さらに中田英を前に上げ、柳沢敦(鹿島)の1トップに変更したのだ。そして、日本のバランスが良くなり、サイドから効果的な攻撃が見られるようになる。コンディション不良のモロッコの足が止まったこともあるが、日本は試合を完全にコントロール。後半4分の2点目、14分の本山の3点目へとつなげていった。
 試合後、トルシエ監督は「攻撃的にしようとワンボランチを試したが、ダブルボランチの方がより攻撃的になることが分かった」とコメント。シドニーオリンピック本番では、後半の布陣がベースになることも示唆した。
 2つの壮行試合で試すべき部分はすべて試し、ベストな布陣を見出した日本。あとは本番で答えを出すだけだ。

試合データ

■9月5日 国立競技場
日本五輪代表 [3ー1] モロッコ五輪代表

日本代表選手集合写真 説明イラスト  1) DF 中田浩二
 2) MF 中村俊輔
 3) GK 楢崎正剛
 4) FW 平瀬智行
 5) DF 松田直樹
 6) DF 森岡隆三
 7) MF 三浦淳宏
 8) MF 明神智和
 9) MF 中田英寿
10) MF 稲本潤一
11) FW 柳沢敦
  • 日本代表選手集合写真
  • 説明イラスト
  •  1) DF 中田浩二
     2) MF 中村俊輔
     3) GK 楢崎正剛
     4) FW 平瀬智行
     5) DF 松田直樹
     6) DF 森岡隆三
     7) MF 三浦淳宏
     8) MF 明神智和
     9) MF 中田英寿
    10) MF 稲本潤一
    11) FW 柳沢敦

写真提供/(c)Jリーグフォト

<代表監督> フィリップ・トルシエ

<出場選手>

■9月5日/国立競技場
日本五輪代表 (1) 3 <オウンゴール2、本山>
モロッコ五輪代表 (1) 1 <エルブラジ>
日本    
GK 楢崎
DF 森岡 松田(中澤) 中田浩
MF 明神 稲本(西) 三浦(酒井) 中田英 中村
FW 柳沢(高原) 平瀬(本山)
モロッコ    
GK タリク・エルジャルムニ
DF モハテド・ハルブシュ アデル・シブキ アクラム・ルマニ
MF ハミド・ナデル(ヌルディア・カセミー) ファウジ・エルブラジ
ジャウド・ザイリ オトマヌ・エル アサス(エルフシヌ・ウシュラー)
ザカリア・アブブ
FW アブデルファター・エルハタリ カリム・ベンクアル

*月日/場所
 国名(前半得点)総得点<得点者>
*メンバー(交代メンバー)

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