キリンチャレンジ2000
9月2日 日本オリンピック代表×クウェートオリンピック代表
シドニーオリンピック壮行試合「キリンチャレンジ2000・日本オリンピック代表対クウェートオリンピック代表戦」が2日、大阪・長居スタジアムで行われた。前半は相手のゴール前を固める守備に苦しんだ日本だが、後半に入って一気にペースをつかみ、6−0という予想外の大勝となった。この試合は本番直前の数少ない実戦の場。チェックすべき部分も多かった。その1つが守備である。
ケガで1ヶ月試合から遠ざかっていた松田直樹(横浜)が久々に先発し、森岡隆三(清水)、中田浩二(鹿島)とどのような連携を見せるのかが注目された。松田はラインを引き気味に保ち、セーフティな守りを心がけていた。前半27分にクウェートのカウンターから危ない場面があったが、ボランチに入った明神智和(柏)、稲本潤一(G大阪)のカバーもあって事無きを得た。
しかし後半、松田と宮本恒靖(G大阪)、森岡と中澤佑二(V川崎)が交代すると、2度続けてピンチを招く。後半7分は宮本がアブドルアジズに1対1で抜かれた。後半11分には右サイドのアルオスマンのピンポイントクロスに再びアブドルアジズが飛びこんだ。これはオフサイドの判定でノーゴールとなったが、相手の一瞬のスピードでフラット3の裏を突かれるという問題が出てしまった。本番の相手はもっと能力が高いだけに、早急に修正しなければならない課題といえる。攻撃の方は前半と後半でガラリと流れが変わった。前半は右サイドに西紀寛(磐田)、左サイドに中村俊輔(横浜)、トップ下に中田英寿(ローマ)、2トップに柳沢敦(鹿島)、高原直泰(磐田)という組み合わせだったが、相手の引いた守りにてこずりゴールが奪えない。稲本のミドルシュート、高原のシュートなど決定機はあったが、0−0で折り返した。
トルシエ監督はこの状況を打開するため、左サイドに本山雅志(鹿島)を起用し、“攻撃的布陣”を採用。この采配がズバリ的中し、後半2分に中村のミドルシュートで先制する。ここからしばらく攻めあぐむ時間帯があったものの、稲本の攻撃参加など中盤を完全に支配。後半29分には中田英と交代した吉原宏太(G大阪)が、中村からの絶妙のスルーパスを受けて2点目を挙げた。これで勝負は決まった。
さらに稲本、中村、吉原、平瀬智行(鹿島)が得点するなど、攻撃のバリエーショ ンの豊富さを見せつけた。この爆発的な得点力はシドニーオリンピック本番に向けて明るい材料といえる。
■9月2日 長居スタジアム
日本五輪代表 [6ー0] クウェート五輪代表
1) FW 柳沢敦 2) DF 森岡隆三 3) MF 中村俊輔 4) DF 中田浩二 5) DF 松田直樹 6) GK 楢崎正剛 7) MF 西紀寛 8) MF 明神智和 9) FW 高原直泰 10) MF 稲本潤一 11) MF 中田英寿 |
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1) FW 柳沢敦
2) DF 森岡隆三
3) MF 中村俊輔
4) DF 中田浩二
5) DF 松田直樹
6) GK 楢崎正剛
7) MF 西紀寛
8) MF 明神智和
9) FW 高原直泰
10) MF 稲本潤一
11) MF 中田英寿
<代表監督> フィリップ・トルシエ
<出場選手>
■9月2日/大阪・長居スタジアム
日本五輪代表 (0) 6 | <中村2、吉原2、稲本、平瀬> | |
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クウェート五輪代表 (0) 0 | ||
日本 | ||
GK | 楢崎 | |
DF | 森岡(中澤) 松田(宮本) 中田浩 | |
MF | 稲本 明神 中村 西(酒井) 中田英(吉原) | |
FW | 柳沢(本山) 高原(平瀬) | |
クウェート | ||
GK | シェハブ・カンゴネ | |
DF | ユスフ・ザイード(バデル・ナジュムー) ハマド・アルタイヤル ジャマル・アブドルラフマン(アデル・アルアネジ) | |
MF | ナセル・アルオスマン(アブドラ・ハサン) エサム・アルカンダリ(ナワフ・アルフマイダン) サレー・アルブライキ サドゥン・サルマン(ナセル・アルオムラン) アブドラ・サイハン | |
FW | バシャル・アブドルアジス ファラジ・サイード(ハラフ・アルムタイリ) |
*月日/場所
国名(前半得点)総得点<得点者>
*メンバー(交代メンバー)
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