シドニー五輪出場権を獲得したＵ−23日本代表の強化試合である「キリンチャレンジ2000」が、Ｕ−23ニュージーランド代表を招いて東京・国立競技場で行われた。
　この試合では、最終予選までキャプテンとしてチームを導いてきたＤＦ宮本恒靖が、コンディション不良から外れた。代わってフラット3をリードしたのは松田直樹だった。中田浩二、中澤佑二と息の合ったラインの上げ下げを見せ、相手に付け入るスキを与えない。
　一方の攻撃陣は、イタリアの中田英寿が合流せず、小野伸二も足の負傷で欠場。司令塔のポジションに入ったのは中村俊輔だった。まず前半18分、28ｍものフリーキックを決めて先制ゴールを奪う。さらに正確なロングパス、クロスボールで決定的なチャンスを作りだし、素晴らしいプレーを披露してくれた。
　高原直泰も好調をアピール。前半40分には中田浩二のシュートのこぼれ球を素早く左足で決めた。後半13分にも2点目となるゴール。決定力の高さをトルシエ監督に印象づけた。そして後半18分には、稲本潤一からのパスを受けた途中出場の小島宏美が4点目を奪取。勝利をより確実なものとした。
　この試合では稲本と明神智和が初めてダブルボランチを組んだが、短時間で素晴らしい攻撃力を見せてくれた。さらには西紀寛、北嶋秀朗といった新戦力もテストされ、シドニー五輪本番に向けて明るい材料の多い試合となった。