五輪予選アウェー用布陣の日本勝てず—フルミネンセ、確信の優勝

　87年大会は、日本代表、セネガル代表のA代表チームに、トリノ、フルミネンセが加わって優勝を争った。当初はサンプドリアが参加の予定だったが、セリエAのプレーオフ出場が決まったため来日不可能となり、急きょトリノが参加した。
　大会直後にソウル五輪1次予選を控えた日本代表は、加藤久らベテランに堀池巧、武田修宏、越後和男といったヤングパワーを加え、守備的布陣でのぞんだ。初戦のフルミネンセ戦は、相手の攻撃に細工がなかったせいか、日本はＧＫ森下申一を中心に堅守を見せ、0−0の引き分け。続くセネガル代表戦は原博実、松山吉之がゴールを奪ったものの、2失点を喫してまたもや引き分け。第3戦のトリノにはあっけなく敗れ、初優勝が期待されながら、勝ち星なくリーグで3位 に終わった。
　予選リーグはトリノが1位、フルミネンセが2位で突破。決勝はこの両チームが対戦した。真夏のような暑さの国立競技場で行われた試合は、フルミネンセがコーナーキックから先制。日本でも高い人気を誇るＭＦロメロを起点とした鋭いカウンターから追加点を奪い、2点をリードで前半を折り返した。元ブラジル代表のＤＦジュニオールが孤軍奮闘するトリノにつけ入るスキを与えず、2ー0でタイトルを獲得した。フルミネンセは来日時の記者会見で、「優勝を狙う」と自信たっぷりに宣言したが、見事にその公約を果たした。