読売クラブの躍進と日本代表の低迷—サントス、冷静さで優勝

　大会名称が現在と同じ「キリンカップサッカー」となり、6チーム総当たりのリーグ戦実施後、上位2チームによる決勝戦を行うという方式が採用された。日本代表、マレーシア代表、ウルグアイ代表のA代表に加え、ウエストハム、サントスが出場。前年度天皇杯優勝チームの出場も復活し、読売クラブ（現東京ヴェルデイ）が登場した。
　10月に86年メキシコＷ杯アジア最終予選を控えた日本代表は、ＭＦ水沼貴史、ＧＫ森下申一、ＭＦ西村昭宏ら新戦力を次々とテスト。しかしチームが戦術的に機能せず、初戦のウルグアイ戦で1−4と惨敗したのを皮切りにウエストハムと引き分け、日本代表から外された戸塚哲也の1点で読売クラブにすら敗れてしまい、5位と低迷から抜け出せないまま大会を終えた。
　一方の読売クラブはウルグアイ代表と3—4の接戦を演じた後、日本代表に辛勝。ウエストハムとも引き分けたため、日本代表より上の4位となって大会に彩りを添えた。
　決勝はサントス対ウルグアイ代表と南米勢の激突。若手中心ながらA代表の意地もあるウルグアイはエースのアギレラが先制したが、サントスはＦＷゼ・セルジオ、ミランジーニャが2ゴールずつを決めて逆転。4−2で勝利を収めた。この決勝戦は、キリンカップ史上に残る、レベルの高い好試合といわれた。