グラシアス、アルディレス —サッカーを制する技術と頭脳

　欧州、南米から4つのクラブチーム、アジアからA代表2チーム、そして日本代表，日本選抜を加えた8チームで優勝を争った「ジャパンカップ79」。下村幸雄監督率いる日本代表は予選リーグの初戦で、イタリアのクラブとして初来日したフィオレンティーナと対戦し、ＭＦ永井良一の得点で1−1で引き分ける幸先の良いスタートを切った。第2戦は78年アルゼンチンＷ杯で、地元アルゼンチン代表主将をを務めたＭＦオジー・アルディレス率いるトットナムに挑んだが0−2で敗戦。第3戦のインドネシアにはＤＦ落合弘、永井らのゴールで4−0と快勝したものの、準決勝進出はならなかった。小城得達監督率いる日本選抜は、ＭＦ植木繁晴ら若手でのぞんだが、強豪相手に歯が立たず3敗となった。準決勝は、フィオレンティーナがエース・アントニーニョを出場停止で欠いたダンディー・Ｕに、ＰＫ戦の末に敗れた。もう一方の準決勝は、1986年メキシコＷ杯でアルゼンチンをワールドカップ優勝に導くことになるビラルド監督が指揮を執るサンロレンソとトットナムが対戦。トットナムは1−3の劣勢から3—3と追いつく粘りを発揮し、ＰＫ戦で勝利をつかんだ。スコットランドとイングランドの戦いとなった決勝戦に、国立競技場に2万5000人の観衆が集まった。後半に入ってＤＦスミスが先制し、アルデイレスが追加点を挙げたトットナムが2—0で王者の貫禄を見せた。