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TEA STORY
茶葉が
できるまで
紅茶の茶葉には
「オーソドックス製法」と
「CTC製法」の2種類があります
「オーソドックス製法」は、しおらせる(萎凋する)、もむ、ふるいにかけるといった工程をそれぞれ分担した機械にかけ、人の手と機械で茶葉本来の個性を引き出す製法。「CTC製法」は押しつぶす(Crush)、引きちぎる(Tear)、丸める(Curl)の3工程をひとつの機械で行うことで作業効率を向上させた、大量生産向きの製法です。
製法
1.茶を摘む
茶摘みの基本は
「一芯二葉」
紅茶の茶葉は、先端の新芽と最初の小さい葉(Orange Pekoe/オレンジペコ)、2枚目の葉(Pekoe/ペコ)までを摘む「一芯二葉」が理想的とされています。製茶の工程には機械が取り入れられるようになった今でも、茶摘みだけは未だに手作業が主流なのは、こんな理由があるのです。
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2.しおらせる(萎凋する)
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生葉は水分を多く含むので、もみやすくするために40~50%ほど乾かしてしおらせる。
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CTC製法でも茶葉をまず乾燥させる。生葉の水分の30~40%を飛ばしてしおらせる。
3.もむ(揉捻)
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しおらせた茶葉を揉捻機へ入れる。手のひらを擦り合わせるような動きで葉をもみ、葉汁を出す。この葉汁によって酸化発酵がはじまる。
4.ねじ切る
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さらに葉汁を出し発酵を進めるために、ちょうど肉のミンチを作るような機械にかけて、茶葉を細かくねじ切る。
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萎凋を終えたあと、ローターバンに茶葉を入れて、やや細かくねじ切ったあと、そのままCTC機にかける。
5.ふるいにかける
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ローターバンにかけられた茶葉は、ぼってりとした塊になる。それをふるい分けて、発酵を促進・均質化する。
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製法の名前の由来であるCTC機は、表面に細かい刃をつけた2本のステンレス製ローラーの動きにより、茶葉を押しつぶし、引きちぎり、粒状に丸める。その後の発酵や乾燥まで連続したシステムも登場している。
6.発酵
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専用の台や棚などに茶葉を広げ、空気に触れさせて発酵させる。電熱線を敷いた台の上で、人工的に熱を加えて短時間で発酵させる方法もある。
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丸い粒状になった茶葉を、専用の部屋で広げて発酵させる。発酵の工程自体は、オーソドックス製法でもCTC製法でも同じである。
7.乾燥させる
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乾燥機に入れて、発酵を終えるために熱風で乾燥させる。水分を3~4%まで落とす。乾燥は品質の安定や保存のためにも必要だ。
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十分に発酵させたら、発酵を止めるために乾燥させる。茶葉を乾燥機に入れ、熱風を当てて水分を減らしていく。これもオーソドックス製法と同様の行程だ。
8.区分けする
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乾燥を終えた茶葉はしばらく放置して温度を下げる。それから茎や軸などを取り除き、メッシュのサイズに分けてサイズや形状を整える。
9.完成
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同じサイズ、形状ごとにふるい分けられた茶葉は、それぞれの箱に詰められて完成となる。萎凋から完成まで、だいたい13時間ほどで一連の製茶の行程が完了する。
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茎や軸も一緒に粒状になっているので、CTC製法にふるい分けの作業は必要ない。手間が減るだけでなく、歩留まりのよさもCTC製法のメリットのひとつである。