商品ブランドの歴史:「キリン 午後の紅茶 おいしい無糖」までの長~い道のり

(公開日2025年2月27日)

いまではすっかり定番商品となった「キリン 午後の紅茶 おいしい無糖」。2011年の発売以来、新たな紅茶の飲用シーンを提供してきましたが、ここに至るまでには長~い道のりがありました。

1990年の「プレーンティー」発売から「おいしい無糖」にたどり着くまで、無糖紅茶の21年におよぶ挑戦の歴史を紹介します。

1986年に発売した午後の紅茶最初の商品は、「ストレートティー」の1.5L ペットボトル

1986年に発売した「キリン午後の紅茶 ストレートティー」は、炭酸飲料や果汁飲料などの有糖の清涼飲料が主流の中、すっきりとした甘さが受け入れられ大ヒットとなりました。1989年までにミルクティー、レモンティーも発売され、その後の紅茶飲料市場をけん引していくことになります。

しかし、「午後の紅茶」の担当者は思っていました。
“無糖の茶飲料が拡大の兆しを見せる中、4つ目の「午後の紅茶」として無糖を発売したい。家庭では砂糖をいれない人も多いのでチャンスはあるはず・・・”と。

甘くない午後ティー!?

健康志向の高まりとともに、緑茶や麦茶などの無糖茶飲料に注目が集まる中、キリンは“本格的無糖紅茶”として、1990年に「キリン午後の紅茶 プレーンティー」を発売しました。

1990年「キリン午後の紅茶 プレーンティー」

緑色の缶で登場した、全く甘さのない「プレーンティー」に対して、お客様からは予想外の反応が返ってきました。

「この午後ティー、甘くないんだけど?」

「午後の紅茶」のヒットによって、紅茶飲料=甘い飲みもの、という先入観ができ上がっていたため、多くのお客様は甘さを求めて紅茶飲料を選択していました。
当時、無糖紅茶飲料は出始めの頃で、一部の熱狂的なファンを獲得したものの、無糖紅茶として市場形成するまでには至りませんでした。

無糖なのに甘い「ノンシュガー」

1990年代後半、健康志向の高まりでニアウォーターと呼ばれる“水のように透明で、ほんのり甘く、低カロリー” のさっぱりとした飲み口の商品への人気が集まっていました。
甘い紅茶飲料に対しても、カロリーを気にするお客様の存在が浮かび上がってきました。

そこで、 ほのかな甘みのカロリーゼロの紅茶飲料として、1997年に「キリン午後の紅茶ノンシュガー ストレートティー」を発売し、新たな形で無糖紅茶へ挑戦します。

1997年「キリン午後の紅茶ノンシュガー ストレートティー」

当初は缶容器のみで発売された「ノンシュガー ストレートティー」は、大人のためのもう一つのストレートティーとして好評を受け、その後に1.5L、500mlペットボトルでも発売されます。

無糖への度重なるチャレンジ

しかし、発売以降堅調だった「午後の紅茶」ブランドの売り上げは無糖茶ブームの影響を受け、1997年をピークに伸び悩みます。“甘さのない無糖茶”の需要を強く感じるようになりました。

そこで、“何も加えない贅沢”をキーワードに、1999年に「キリン 午後の紅茶 無糖<クリアストレート>」を発売します。
紅茶そのもののおいしさを極め、さらに紅茶の飲用シーンを広げるチャレンジとして、“ウィズフード”をテーマにPRをしました。

1999年「キリン 午後の紅茶 無糖<クリアストレート>」

2003年には、カロリーゼロ、甘さゼロの紅茶本来の香りが際立つ“究極の大人味”として「キリン 午後の紅茶 ブラックティー」を発売。また、“食事専用の無糖紅茶”と銘打って、2004年に「キリン 午後の紅茶 食べ茶」を発売しました。インド式カリーが有名な新宿中村屋(株式会社 中村屋)と共同開発で、パン食にしか合わないと思われていた紅茶に、“カレーなどの多彩な食事との組み合わせ”を提案しました。

「キリン 午後の紅茶 ブラックティー 」(左)と「キリン 午後の紅茶 食べ茶」(右)

新たな角度から無糖紅茶ポジションを狙う!

紅茶にも無糖タイプへのニーズが高まりつつありましたが、渋さや苦さが際立つイメージがあり敬遠されがちだったため、午後の紅茶は変化球を放ちます。それが、2008年発売「キリン 午後の紅茶 アジアンストレートティー<無糖>」でした。

2008年「キリン 午後の紅茶 アジアンストレートティー<無糖>」

食事に合わせやすい、ほのかなジャスミンを感じるすっきりとした後味が、特に20~30代の女性に好評でした。

ふたたび「プレーンティー」の名前で無糖紅茶に挑戦!

無糖の紅茶の広がりの可能性が見えたところで、2010年、「キリン 午後の紅茶 無糖プレーンティー」の発売です。

「午後の紅茶」ブランドとして初めて、無糖茶では定番の容量である2Lペットボトルを発売時から展開し、無糖茶の新しい定番飲料となることを目指しました。

2010年「キリン 午後の紅茶 無糖プレーンティー」

この「無糖プレーンティー」は、喉が渇いた時や食事時にぴったりな無糖の紅茶飲料として発売されました。狙い通り無糖茶と同様の飲用シーンを捉え、お客様が紅茶を選択する機会が今までよりも増えていきました。

しかし「プレーン」という名称では意味が伝わりにくい、という意見が出てきました。そこで、さらなる定着・浸透を目指し、食事にも合わせやすく紅茶本来の美味しさが伝わるような、直球でわかりやすいネーミング・パッケージ、無糖茶として飲み飽きないすっきりとした味で勝負を挑むことにしました。

21年の長い旅路の果てに・・・

それが「午後の紅茶」発売25周年を迎えた2011年に発売した、「キリン 午後の紅茶 おいしい無糖」でした。

2011年「キリン 午後の紅茶 おいしい無糖」

苦みを抑えすっきりとさわやかな味わいに仕上げ、茶葉のおいしさをそのまま楽しむ無糖紅茶らしさに加え“シンプルに伝わるネーミングとパッケージ”で、瞬く間にお客様の支持を得ました。
この「おいしい無糖」が大きな原動力となり、2011年は「午後の紅茶」ブランドの販売実績が当時の過去最高を記録しました。

「午後の紅茶」ブランドでは、1990年の「プレーンティー」発売から2011年までに7商品(リニューアル含まず)の無糖紅茶の商品を発売し、21年という歳月を経て「おいしい無糖」にたどり着きました。そして、念願だった“4つ目の午後の紅茶”としての地位を確立したのです。

ここに至るまでには、キリンビバレッジのマーケティングと味覚開発の進化、そして日本の紅茶飲料の飲用シーンの発展など、時流の変化も大きく関係していました。しかし何より、お客様に無糖の紅茶をもっとおいしく飲んでいただきたいとの思いで挑戦し続けたことから、長い旅路の先で「おいしい無糖」の発売につながったのです。

その後も、健康意識の高まりにより「おいしい無糖」は2011年の発売以降、多くのご支持をいただいています。そして、お客様に無糖紅茶の新たなおいしさをもっと楽しんでいただくため、2021年には「キリン 午後の紅茶 おいしい無糖 香るレモン」(無果汁)を、2023年には「キリン 午後の紅茶 おいしい無糖 ミルクティー」を発売しました。
お客様に紅茶の幸せを届けるべく「午後の紅茶」の挑戦は、これからも続きます。

左から「キリン 午後の紅茶 おいしい無糖 ミルクティー」、「おいしい無糖」、「おいしい無糖 香るレモン」(無果汁)
※2025年3月18日発売商品の画像です。

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