キリングループ温故知新 2023年10月編

キリングループは100年を超える歴史の中で、さまざまな環境変化を乗り越え、成長してきました。「キリングループ温故知新」では、これまで発売した商品の誕生や、取り組みについてご紹介します。

昔から今につながるものづくりへの想いと共に、これまで培ってきた知見、研究、技術を活かし、「よろこびがつなぐ世界」の実現に向けて、新たな商品やサービスを提供していきます。

1976年10月12日 麒麟麦酒、小岩井乳製品9品目を発売

1976年10月12日は、麒麟麦酒が小岩井乳業の製造する小岩井ブランドの乳製品を発売した日。同年5月、麒麟麦酒は経営多角化の一環として小岩井農牧株式会社と業務提携し、乳製品の製造と販売を行う「小岩井乳業株式会社」を折半出資で設立しました。新会社で製造する乳製品のうち、チーズとバターは、仕入れ・広告・宣伝活動を含む販売活動を麒麟麦酒が行うことに決まり、最初に発売された商品は、小岩井ファームチーズ「クリミデイ」「リッチデイ」「スプレッド」「スモーク」のチーズ4種6品目と、「小岩井 純良バター」 「小岩井 レーズンアンドバター」のバター2種3品目でした。広告活動では、自社の特性を活かした高級品路線をとり、デパートなどのギフト市場、特に歳暮のギフトシーズンの販売活動に力を入れました。主力商品は小岩井ファームチーズの「クリミディ」で、「クリーミーな日々が来る」のキャッチフレーズで展開しました。

写真:発売当時の商品画像

1986年10月13日 「キリン 午後の紅茶」発売

1986年10月13日は、日本初のペットボトル入り紅茶飲料(株式会社食品マーケティング研究所調べ(1986年当時の主要飲料販売メーカー及び製罐メーカーを対象としたヒアリング調査による))として「キリン 午後の紅茶」が誕生した日。ペットボトル入りで販売する上での最大の課題は、冷やせば濁るという紅茶の特性でしたが、度重なる試行錯誤を繰り返し、液色を透明にする技術を編み出しました。それが「クリアアイスティー製法」です。この透明化技術は、当時業界では画期的な発明でした。
こうして、「好みに合わせてミルクやレモンを加えても召し上がっていただける、グラスに注ぐだけで本格的な紅茶が味わえるアイスティー」として、1.5Lペットボトル入りストレートティーが最初に販売されました。

写真:発売当時の「キリン 午後の紅茶」 ストレートティー1.5Lペットボトル

2009年10月26日 第一アルコール株式会社の設立を発表

2009年10月26日、メルシャンと協和発酵バイオによる合弁新会社、第一アルコール株式会社の設立が発表されました。これは、グループ経営力の強化に向けて、キリングループ内の一部事業を統合することについて、メルシャン、協和発酵バイオ、キリン協和フーズの3社が基本合意したことによる発表でした。
新会社として誕生した第一アルコール株式会社には、メルシャンと協和発酵バイオが保有する原料アルコール事業が移管されました。両社の合弁会社として運営され、2013年にはメルシャンの完全子会社となることが合わせて発表されました。事業統合により、高品質なアルコールの安定供給と、販売およびコスト面での競争力アップが期待されました。
2010年7月1日、第一アルコール株式会社は事業を開始します。取扱商品は、主に「清酒」「焼酎」「リキュール」「みりん」などの酒類製造に必要な酒類原料用アルコールと、食品・化粧品・医薬品等に広く用いられる工業用アルコール。メルシャンと協和発酵バイオの酒類製造の歴史を引継ぎ、「品質第一の伝統と実績」「良い酒造りへの貢献」「工業用アルコールへの事業展開」を基本として、市場のニーズに応えています。

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2010年10月1日 メルシャン、「椀子ヴィンヤード」のブドウを100%使用したワインを初めて販売

2010年10月1日は、メルシャンが「椀子(マリコ)ヴィンヤード」のブドウを100%使用した初めてのワインを販売した日。

椀子ヴィンヤードは、メルシャンが2003年からワイン用ブドウの自社栽培に取り組んできたブドウ畑です。それまでメルシャンは、ワイン用ブドウの大半を日本各地の契約栽培農家から得ていましたが、日本ワインの品質向上や普及のため、企業としてブドウ栽培事業を展開することを模索してきました。栽培適地を探すメルシャンは、長野県上田市丸子地区の陣場台地を見つけます。ここは、陽当たりが良く、排水性・通気性に優れ、降水量が少ないという、ブドウ栽培に適した土地でした。かつては桑畑が広がっていたこの地は、作り手の減少などから農地のほとんどが遊休荒廃化していました。メルシャンは、遊休荒廃地の解消と地域振興を目指す地元の協力も得ながら、この地をブドウ畑へと生まれ変わらせます。椀子ヴィンヤードは、その後も上田市の募集による100名のボランティアに畑作業に参加いただくなど、地域との結びつきを深めていきました。
開園から7年、椀子ヴィンヤードのブドウを100%使用したワインが、ついに商品化します。発売されたのは、「シャトー・メルシャン マリコ・ヴィンヤード メルロー 2007」「シャトー・メルシャン マリコ・ヴィンヤード シラー 2006」「シャトー・メルシャン マリコ・ヴィンヤード ソーヴィニヨン・ブラン 2009」の三本。椀子ヴィンヤードの名前を冠して登場しました。
(現在は、「シャトー・メルシャン 椀子メルロー」「シャトー・メルシャン 椀子シラー」「シャトー・メルシャン 椀子ソーヴィニヨン・ブラン」として発売中)

写真:発売当時の商品画像

2016年10月12日 ブルックリン・ブルワリー社と資本業務提携に関する契約を締結

2016年10月12日は、キリンホールディングスとキリンビールが、ブルックリン・ブルワリー社との間で、資本業務提携に関する契約を締結した日。

キリンは、2014年7月の「SPRING VALLEY BREWERY」の立ち上げを皮切りに、同年9月のヤッホーブルーイング社との資本業務提携など、国内におけるクラフトビール市場の拡大、浸透を図ってきました。その背景には、ビールを面白く、楽しいものにしようという志と、ビールづくりや品質にこだわりをもつ会社とは積極的に連携を図り、ワクワクする新しいビール文化を、一緒に作り上げていきたいという思いがありました。
ブルックリン・ブルワリーは、1988年ニューヨークのブルックリンで創設した、ブルックリンのアイコンとも言えるブルワリーです。19世紀には、多種多様な移民のための個性豊かなブルワリーが多数存在したブルックリン。しかし創立者であるスティーブ・ヒンディとトム・ポッターがブルワリー設立を志した当時は、あまり活気がなく、治安も悪い地域でした。二人はブルワリーの設立に、ブルックリンのビール産業復権と、街の活性化への思いをかけます。地元のアーティスト、ミュージシャン、飲食店を巻き込んだブルックリン・ブルワリーの成功は、現在のアートと起業の街・流行の発信地としてのブルックリン発展への起爆剤となりました。
そしてブルックリン・ブルワリー社には、数多くあるクラフトビールメーカー間の連携の構図を作り、アメリカにおけるクラフトビールの飛躍的発展に貢献した「クラフトビール革命」の歴史があります。この姿勢は、キリンのクラフトビール事業のお手本にもなりました。

写真:2017年発売当時のブルックリンラガー350ml缶

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